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2004.03.05

81億円の文化財修復 その2

「いったい何処から手をつけたらいいんだ。残っているのは外壁だけだというのに」。直ちにl’association pour la renaissance du Palais ( Arp 旧高等法院再生プロジェクト ) がスタートしたものの、誰もが心のなかでつぶやいていた。あたりに焦げ臭いにおいを放ちながら、まだ煙にくすぶっている、黒い巨大な塊。それが、あの華麗な建物の変わり果てた姿だった。

失ったものはあまりに大きかった。図書館に保管されていた希少価値のある古文書のほとんどが灰となった。焼け残った木屑としかいいようのないような数千の断片がレンヌの町に急ごしらえされたアトリエに次々と運びこまれた。どうしても、移動させられないものもあった。17世紀後半の粋を集めて作られた優美な装飾をほどこした飾り天井は、その場で修復されることになった。

焼失した大屋根の代わりに、最も巨大な傘が用意され(ルーブル宮は例外とする)、現状維持のため、外部者の侵入はかたく禁止された。

100人の美術品修復工、100人の指物師、100人の左官、それから金箔師、鋳造工、その他ありとあらゆる分野の職人たちがレンヌに呼び集められた。今回のプロジェクトがいかに困難なことであるかは、幾多の修復をこなしてきた専門家たちには、自明のことだった。とにかく力を合わせ、一日でも早く「ブルターニュの宝」を甦らせるのだ。

  その1はこちらから。

   追加情報 2005 08 15

続きを書こうとおもいつつ、そのままになってしまっている。火事から10年、ほぼ修復は終了した。だが途中でさらなる不幸な事故もあった。修復中のタペストリーがパリ郊外の工房の火事で焼失してしまったのだ。この建物の材質についてエントリーを書いた。

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