ケルト白鳥伝説
日曜日の朝、すぐ近くのタボール公園に出かけた。猫の鳴き声がするので振り返った。家族づれが黒ねこに首輪をつけて散歩している・・・真っ白なはとがいっぱいいて、気になるのか、猫が鳴いているのだ。
よく見ると後ろの池に一羽の白鳥がいる。先週Noirmoutierノワールムチエ島の塩田にも白鳥が数羽いたのだが、Rennesレンヌでははじめて見た。手を伸ばせば届く距離にいる。羽毛は雪のように純白だ。男の子が手を差し出すと逃げるどころか近づいてきた。「見てよ。逃げないよ」とうれしそうにつぶやく少年。「パンをもらっているからよ」とお母さんが言う。そう言われてよくあたりを見渡せば、パンくずが地面に散らばっている。私もパンを拾い、池に投げいれてみた。白鳥は長い首を伸ばしてパンを食べている。
アイルランドにはたくさんの白鳥伝説がある。Children of Lir: Stories from Ireland「リールの子供たち」は継母の魔法で白鳥に変身させられた4人の王子と王女たちが900年間放浪するお話だ。人間の心を持ち続ける白鳥たち。冷たい北の海で弟たちを自分の翼でかばおうとする王女フィラーラ。やっと魔法がとけ、弟たちと一緒に葬ってくれるようにたのんで死んでしまうという結末である。
私が夢想にふけっている間に、何人もが立ちどまり、そして去って行った。幼い少女が白鳥に話しかけると、言葉がわかるとでも言いたげに、白鳥も少女を見つめている。まるで微笑んでいるかのように・・・
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