ベリー公のいとも優雅なる時祷書をめぐる一考察・追加情報
先日紹介した写真のベリー公のいとも美しき時祷書フランソワ・ベスフルグ (著), エバーハルト・ケーニヒ (著), 富永 良子(訳)だが、ご覧いただいた松本さんから、ベリー公のいとも優雅なる時祷書とは異なる写本ではないかとご連絡があった。ご指摘のように、この本はニューヨーク・メトロポリタン美術館所蔵のLes Belles Heures du Duc de Berryの翻訳本であった。
ところが、ここで、またまた日本語訳が異なる本が存在するのである。スイスのFaksimile Verlag Luzern社がこれをファクシミリ版で再現したのが、ベリー公の美わしき時祷書という名前で、雄松堂書店から発売されていると松本さんが調べてくれた。この写本はランブール三兄弟が最後まで完成させた唯一のもので、完成度はベリー公のいとも優雅なる時祷書におとらない素晴らしいものである。ちなみにファクシミリ版のお値段は1575000円である。
「いとも」という言葉があったので、私もすっかりだまされてしまった。この写本が、現在ニューヨーク・メトロポリタン美術館にあるとは知らなかった。どうしてアメリカにあるのか、その経緯を調べたらおもしろいと思うのだが、そこまで手がまわらない。
フランスの豪華写本 はじめて一般公開 ベリー公のいとも優雅なる時祷書の公開決定!
ベリー公のいとも優雅なる時祷書をめぐる一考察
ルーブル美術館・PARIS1400
The Tres Riches Heures of Jean, Duke of Berry 英語版
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コメント
こんにちは。私のところにコメントありがとうございました。ベリー公の時祷書はたくさんあってしかもどれも同じに見えるのでややこしいですね(笑。フランスの国際ゴシックの写本といえば、今ルーヴルでParis1400という大展覧会が開催中で、国立図書館の協賛で写本もたくさん出ているそうですが、ご覧になりましたか?
http://www.louvre.fr/anglais/expos/charles.htm
投稿: ユウスケ | 2004.05.26 08:31
こんにちは。
Paris1400の分厚いカタログは本屋で読みましたが、たぶん来月には展示会を見られると思います。
ベリー公のいとも優雅なる時祷書の一般公開もParis1400の協賛だそうです。国内のほかの展示会の一覧をつけておきますので、参考にしてください。
http://www.latribunedelart.com/Expositions%20par%20sujet%20page%202.htm
投稿: 市絛 三紗 | 2004.05.26 17:02