ブルターニュ関連書籍 その3
今すぐブルターニュのことを知りたいという人のために、よりすぐりの本を紹介します。
十二の恋の物語―マリー・ド・フランスのレー 月村辰雄 訳
岩波文庫 1988
フランス文学にはじめて登場する女性作家マリー・ド・フランス。これは12世紀の作品です。内容はブルターニュで伝承されていたものをフランス語の韻文に書き改めたもの。「ギジュマール」や「ランヴァル」はケルト妖精伝説であると考えられています。いずれの詩も恋愛が主題となっています。
トリスタン・イズー物語 べディエ編 佐藤輝夫 訳
岩波文庫 1988
同じく12世紀の作品。媚薬によって恋におちてしまったトリスタンとイズー。イズーは伯父マルク王の妃なのです。かなわぬ恋はいったいどんな結末を迎えるのでしょう。いろいろな流布本によってストーリーは異なっていますが、ずっと愛されてきた物語です。
ケルト神話と中世騎士物語―「他界」への旅と冒険 田中仁彦 著
中公新書 1995
死者の海に沈んでしまった幻のイスの国伝説やアーサー王伝説と他界への旅。ケルト社会とキリスト教の関係もわかりやすく説明されています。これまでにも、ブルターニュの伝説を日本語に翻訳した本は出版されているのですが、今では絶版となっていますので、貴重です。
注意
この本では「ケルト人」という名称を、強大な力を持っていた騎馬民族であると説明しています。同様の説明が他の専門書にもみうけられます。ややこしいのですが「ケルト」というのは本来人種や民族を指すのではなく、インド・ヨーロッパ語族に属するケルトの言葉を話す人々の総称なのです。ですから「ケルト」を自分たちの祖先のうちのひとつに数える国はヨーロッパ22カ国にまたがっています。
ブルターニュの日本語のガイドブックは、私は見たことがありません。情報があればお知らせください。次回は井村君江さんの著書の紹介です。たくさん魅力ある作品がありすぎて、選択するのに迷っています。
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