写本に描かれた5月の木
たまたまBNF(フランス国立図書館)のサイトの中をさまよっていると、Les dossiers iconographiques図像集のページを見つけた。これが実におもしろい。Architecture建築、Contes de fées妖精物語などを楽しみ、次はÉcritures文字の項を見た。印刷術の始まりから、様々な本の実例までゆっくり時間をかけて眺めた。
次いでReprésentations symboliques象徴的図像のL'arbre木というところを見た。するとこの間から気にかかっていたL'arbre de mai5月の木が描かれているではないか。しかもそれは、Heures d'Anne de Bretagneアンヌ・ドゥ・ブルターニュの時祷書なのだから、偶然とは思えないほどうれしいめぐりあわせだ。何度も書いているが彼女はブルターニュ公妃である。緑の服を着た双子の男性が五月の木の枝を愛しい人に贈ろうと道を急いでいる場面である。
しかしながら、ここでも疑問が解決しない。いったい何の木なのだろう。手にしている木をよく見ても、花も咲いていないのでよくわからない。後ろにある木は愛のリンゴで飾られたL'arbre de mai5月の木と説明されているだけである。図書館の百科事典も見たのだが、詳しいことは不明である。それにしても、今の感覚からすればこんな木をもらうより、バラの花束をもらったほうがうれしいのではないか。きらいな人間にはトゲのある枝を贈ったらしい。調べれば調べるほど不思議な風習である。
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