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2004.05.05

ロランの歌

roland.jpg  久しぶりに人間の声に魅せられた。4月29日夜、レンヌ第二大学にあるホールで、一般公開されたLa Chanson de Roland ロランの歌の一人芝居である。Raphaël Boulayラファエル・ブレイが語りをJérôme Crunelleジェローム・クリュネルがla vielleヴィエールを演奏した。

  ロランの歌は11世紀に書かれた武勲詩と呼ばれるジャンルの傑作である。スペインに攻め入ったシャルルマーニュは、敵と和平を結ぼうとした。しかし臣下ガヌロンは、命の危険がある使者に推挙されたことでシャルルマーニュの甥ロランを逆恨みして、敵側のマルシル王に寝返ったのだ。偽りの和平が成立し、シャルルマーニュの軍隊はロランとその親友オリヴィエを後衛にして退却の途につく。

  だが、このときを狙っていた大軍が背後から襲いかかる。オリヴィエは危機を告げる角笛をすぐに吹き鳴らして、シャルルマーニュに知らせるよう進言するが、ロランはそれを拒んで壮絶な戦いのすえ命を落とす。死ぬ直前に吹いた角笛の音で急を知ったシャルルマーニュは、引き返して長い戦いの後マルシル王を倒しロランの仇をとる。裏切り者ガヌロンは決闘裁判で有罪となり処刑された。

  今回はほとんどが語りで、ごく一部にメロディーがついていた。言葉も書かれた当時のものなので、どちらかといえばイタリア語に近い感じであまりわからなかったが、強弱のつけ方、間合いの取り方など絶妙だった。名将ロランを失ったシャルルマーニュの嘆きと怒りの表現は素晴らしかった。あとで調べてみると中世音楽のCDも発売されているし試聴もできるのでどうぞ。

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コメント

三紗さん、こんにちは。
1993年に仏伊独共同制作で「騎馬王子シャルルマーニュ」
"Charlemagne, le prince à cheval"
と言うテレビ映画がありました。
1話90分で3夜連続だったと思いますが、
確かこの件の話も出てきました。
リンクにあったmp3もいくつか聴いてみましたが、
とても綺麗ですね。

>どちらかといえばイタリア語に近い感じまりわからなかっ
>たが
三紗さんがお聴きになったのは、たぶん古いフランス語で、
ラテン語に近いものだったのではないかと思います。

投稿: ひで | 2004.05.05 18:15

こんにちは。ひでさん。

「古フランス語」とひとくちに言っても、時代によってずいぶん違います。「トリスタン・イズー」や「マリー・ド・フランス」のレーも「古フランス語」の作品群に含まれます。

ラテン語の発音はほとんどローマ字読みなので、日本人にはわかりやすいです。「ロランの歌」は「古フランス語」で書かれていますが、アングロ・ノルマンの特徴を持っているといわれています。それなのに、イタリア語のように聞こえたので、不思議だったのです。

投稿: 市絛 三紗 | 2004.05.05 19:36

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» crisisはいつも「危機」と訳してよいか [翻訳blog]
 crisisという語にぶつかると、たいがいの人は「危機」と訳す。もちろん「危機 [続きを読む]

受信: 2006.03.10 18:31

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