ノルマンディー上陸作戦から60年
ノルマンディー上陸作戦は6月6日に決行された。今日は60周年の記念式典が行われている。昨日夜テレビで前夜祭の模様が生放送されていた。たくさんの人が次々と体験を語った。実際に19歳でこの作戦に参加していた兵士の証言。寝る暇もなく怪我人の世話をつづけた看護婦。パラシュート隊が降りてくるのを目撃した当時10歳の少年の話などなど。
トム・ハンクス主演のプライベート・ライアン という映画の一部が巨大スクリーンに映し出された。上陸しようと試みる兵士たちが狙いうちされてゆく。ある兵士はちぎれてしまった自分の腕を見つけて走り出す。瞬く間に死体の山ができ、海が血で真っ赤になる。「まさにこうでした」と話す退役兵の言葉がとても重い。プライベート・ライアンはオスカー5部門に輝いた、スティーヴン・スピルバーグ1998年の作品である。
アイゼンハワーの指揮下で連合国軍の艦船4600(戦艦7、巡洋艦23、駆逐艦123)、重爆撃機2500機、戦闘機・戦闘爆撃機7000機、兵員17万5000人が投入されたノルマンディー上陸作戦は6月6日を歴史にのこる日にしたのである。Site officiel du 60ème anniversaire du Débarquementノルマンディー上陸作戦60周年公式ホームページを開くと上にもうひとつ窓が立ち上がってくるのでそれをクリックすると、作戦を詳しく解説してくれる。
今年はブッシュ米大統領や英国のエリザベス二世など、約十五カ国の連合軍側の首脳が出席するほか、ドイツのシュレーダー首相が初めて特別招待されていて、テロにそなえ、30日からフランス全土が最高度の警戒レベル「赤」に指定されている。
まだ戦争の記憶が残るノルマンディーの海岸。テレビからは参加国それぞれの海軍音楽隊による音楽の演奏が聞こえてくる。今ジャズの演奏が行われていて、アナウンサーが「アメリカ軍はコカコーラ、ガムなどの新しい文化をノルマンディーに持ち込んだ」と感想を述べている。フランスはブルターニュの音楽を演奏している。ここに参加している人たちが、もう二度と敵味方に分かれて殺しあわずにすみますように。
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コメント
三紗さん、こんにちは。プライベートライアン、映画館で見ました。最初のシーンが衝撃的で、とても直視できませんでした。
あんなにたくさんの血を流し、家族を亡くした悲しい人たちが増えていっても、人間は戦争をやめないのですね。何とも・・・。ブッシュさんへの拍手が少ないのは当然ですね。後悔先にたたず、その被害をこうむっているのは罪のない一般の人たちですもの。どうやってこの事態を収拾させるのでしょうね?
ところで、AOLダイアリーの容量不足を感じていたので、お引越しをしました。新しいURLは↑です。申し訳ありませんが、リンクを貼り直していただけないでしょうか。今後とも、よろしくお願いします。
投稿: モネ | 2004.06.07 22:10
モネさん。こんにちは。
テレビではこのあと退役兵たちにシラク大統領が勲章をあげていました。この時20歳でも今は80歳。90歳をすぎている人もたくさん参加していました。
涙ぐんでる人もたくさんいて、彼らのその後の60年、どうだったんだろうと考えてるともらい泣きしちゃいました。
さっそく新しいページ見せてもらいました。リンクはかえておきます。
投稿: 市絛 三紗 | 2004.06.07 22:26