ブルターニュ 中世の祭り Dinan ディナン
夏のブルターニュを旅するのに便利なのが、Pass Bretagneパス・ブルターニュという切符である。ブルターニュ内なら、まる一日どこで列車を乗りおりしても10ユーロ均一料金なのである。(土曜日だけ利用可。TERのバスも含むがTGVは省く)。7月24日、この切符を買ってDinanディナンに行くことにした。レンヌ・ディナン間の通常料金は片道17,1ユーロなので、3分の1の料金ですんだ。
目的はFête des remparts城壁祭りを見ることだ。期間は7月24,25の2日間で、1983年にはじまり今回が16回目であった。電車を降りると町じゅうが美しい花や旗などで飾りたてられていて、祭り気分が高まってくる。各商店の店員たちもそれぞれ中世の衣装をまとっていて、歩いているだけでも楽しい。広場で売られているみやげ物もそれらしいものばかりで、その場で買った衣装を身につけて歩き出すアメリカ人観光客もたくさんいる。
なぜかといえば、城壁の数ヶ所で行われている特別の会場にはいるには10ユーロいるのだが、中世の服を着ている人は無料になるので、いい記念になると服をおみやげにする人も多いのである。もちろん無料の催しもいろいろあるが、なりきったほうが楽しそうである。中世の暮らしや仕事などなどが再現され、あちこちの鍋からおいしそうな匂いがただよってくる。縄を編んでかごにしている人に「これがあなたの仕事なんですか」と聞いてみた。すると「ちがうわよ。私たち夫婦はフランス南部に住んでいて、ほかの仕事をしているんだけど、こういう祭りがあると、あちこちに招かれるの。外国にだって行くのよ」と言う。何かの技術を習得すれば、そういうことも可能なのだと、すっかり納得してしまった。
昔から城が築かれるのは小高く見通しのきく場所であった。ここDinanディナンも標高75メートルあり、あたりを見下ろすことができるのである。見事な城壁のすぐ外側でLe Tournoiと呼ばれるトーナメントを見ることにした。ブルターニュ公が主催した華麗な馬上戦の再現だ。馬を疾走させながら槍を操る技術は素晴らしかったのだが、10ユーロ支払うにはもう少し演出に工夫があってもよかったと思う。ここで前回2002年の写真を見ることが出来る。それから中世の衣装をまとって人々が町を歩くのを楽しみにしていたのだが、行列だけを比較すれば、VannesヴァンヌのFêtes historiques de Vannesヴァンヌ歴史祭りの方が見ごたえがある。
それでも、中世の木組みの家々を眺めながら町を散策するのは心地よかったし、久々に暑い日だったので、アイスクリームを食べて夏の一日を満喫した。どんな天気になるかわからなかったので、上着と傘をもっていたのだが、とてもいい天気ですっかり日焼けして帰ってきた。古地図を持って、また行きたい町である。
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コメント
Dinanは坂がいいですね。機会があれば私も祭の時に再訪したいものです。
投稿: facet | 2004.07.27 03:08
facetさん。こんばんは。
祭りの店ってどこでも同じようなものしか売ってないのに、ここでは、子供たちが持っているような盾とか、剣とか、ちょっと不思議なものがたくさんあって、店をのぞくのがおもしろかったです。
>私も祭の時に再訪したいものです。
ぜひ、コスプレして行ってください!
投稿: 市絛 三紗 | 2004.07.27 03:34