



日帰りでLorient ロリアンに行ってきた。Festival du Interceltique de Lorientが7月30日からはじまったのだ。(8月8日まで)
昨年は40度近い気温、おととしは雨が続き寒かったので、今年はじめて行くことができた。
写真1) 会場となる町の中心には、大小さまざまな仮設テントが設営され、ブルターニュの白黒の旗がいたるところにひるがえっている。
写真2) 野外競技場でBagadoùバガドゥーというジャンルのコンクールを見た。ブルターニュに伝えられてきた伝統的な音楽をアレンジし30~60人で演奏する。指揮者がいるのだが、ほとんど踊っている感じである。演奏者も観客も足でリズムをとっている。はじめて見たが、迫力に圧倒された。伝統を継承しつつ、新しいジャンルを開拓してゆく、ブルトン音楽の無限の可能性に精一杯の拍手を贈る。
写真3) 別の会場で行われる歌とダンスのチケットを買っていたので、途中で競技場を後にした。舞台に年配の男性が50人ほど勢ぞろいしたのを見た時、正直にいうと「余興じゃないのに」と思った。はっきり聞き取れなかったのだが、マンチェスター近郊から来た人たちで、平均年齢は75歳くらいだろうか、杖をついている人までいたのだから・・・ いざコーラスがはじまると、まず豊かな声量にどきもをぬかれた。そして、ハーモニーの美しさ、表現力の豊かさに会場全体が静まりかえる。これまでにこんなに素晴らしい男性コーラスを聴いたことがなかった。約1時間、15曲くらい歌ったのだが、後になるほど声がのびてくるのが、しろうとの私でもわかった。
写真4) アイルランド音楽の演奏。会場内はサウナのように熱気がこもり、寒がりの私でさえ、汗びっしょり。パンフレットを扇子がわりにパタパタ動かして、かすかな風をおこそうとみんな必死だ。はぎれのいいパーカッションが素晴らしい。女性がひとり、ダンスも踊る。むしょうにアイルランドに行ってみたくなる。
どれもレベルが高く、素晴らしい演奏、ダンスだったが、私はやはりブルトン音楽が好きだ。もう身体に染み込んでしまっているのだろうか、ブルトン音楽を耳にするといてもたってもいられなくなる。歩いているとSt Aubin du Cormierサン・トーバン・デュ・コルミエでつい1週間前に出会った人と再会した。ブルターニュの歴史を正しく一般の人に伝えようと各地で様々なイベントに参加しているのだ。ここに来ている人たちはみんなブルターニュが大好きなのだ。そんな当たり前のことが、とてもうれしかった。