« Yahoo対策 ブルターニュ普及作戦 結果報告 | トップページ | フランスの原子力発電 »

2004.08.07

究極のガレット

galette.jpg   ブルターニュにはCrêperieクレープリーがいたるところにある。日本でクレープというとジャムやクリームたっぷりのおやつというイメージだろう。「今日はCrêperieで食事をしよう」というと変に聞こえるかもしれない。

  CrêperieでメインにたのむのはGaletteガレット(そば粉をクレープ状に焼いたもの)である。種類はいろいろあって、ハム、目玉焼き、チーズ、バターなどの組み合わせを選ぶ。もちろんCidreシ-ドル(りんごから造った発泡酒)も忘れずに。それからデザートにCrêpeクレープをたのむ。これは日本のクレープを想像してもらえばいい。

  一番手軽なので、しばしばガレットを食べたことがある。でも正直言うと、塩辛いし、バターで胃がもたれるし、そんなにおいしいと感じたことはなかった。ある時、Crêperieにとても詳しい人を紹介された。その人は「Crêpeは芸術品」という。でも本当においしいCrêperieはもうブルターニュでも10軒ほどしか残っていないというのである。そこでこっそり住所を聞いて、一軒のCrêperieを訪ねた。

  そこはレンヌから3時間以上離れた村の農家であった。こういった農家は民宿もかねていることが多いのだ。はじめに野菜スープをたのんだ。家でとれた野菜を煮込んださっぱりとしたスープはとてもおいしかった。そしてGaletteが出てきた。自家製のベーコンとバター。だが横にたっぷりとドレッシングのかかった野菜が添えられていて、まったくしつこさがない。究極のGaletteだった。Cidreも一般には販売していないものだという。Crêpeの中身はもちろん特産のりんご。これにCalvadosカルバドス(りんごの蒸留酒)をかけ火をつける。味は大満足だった。

  食べている途中で奥さんがやってきて、「どうやって、ここを知ったのか」と質問された。地元の人が来るだけで、日本人がわざわざ食べにきたことはないというのである。事情を説明すると「そうじゃないと、こんな畑の真ん中まで来れないわよね」と笑っていた。究極のGaletteを守りつづけているのはどんなガイドブックにも載っていない普通の農家だった。

|

« Yahoo対策 ブルターニュ普及作戦 結果報告 | トップページ | フランスの原子力発電 »

コメント

>レンヌから3時間以上離れた村の農家であった。こういった農家は民宿もかねていることが多い
こういう感じのところ実は大好きなんですよ。訪ねる機会はないかもしれないけど、お話聞いてるだけでも十分楽しいです。

投稿: blanche | 2004.08.07 22:14

blancheさん。こんばんは。

私もガレットに対する見方がすっかり変わりました。忘れられない思い出のひとつです。

投稿: 市絛 三紗 | 2004.08.07 22:36

 お久しぶりです.
 来年8月アルザスに行く計画を立てています.ブルターニュは早くてそのまた2年後の予定です.ブルターニュといっても広いですけど,そのときには是非この店(農家)を教えてください.
 3年前ボルドーで食べたガレットとクレープ,シードル,美味しい記憶の一つです.
 おすすめの「ボーヌで死ぬということ」買いました.ホイジンガの「中世の秋」は,ヨーロッパの歴史の常識の上に,書かれているので読み始めてから?????の連続でした.この手の本はどうもそう言う門外漢を考慮しない書き方が多いようですが,前者はその点,時代と興味の対象を同じくしている人が書いている感じがして読みやすいです.

投稿: えびきゅう | 2004.08.11 23:07

えびきゅうさん。こんにちは。

ホイジンガの中世の秋 (上巻)中世の秋 (下巻)、私はこの中公文庫、堀越孝一訳を持っていますが、人名を気にせず読めばとてもわかりやすいと思うのですが・・・ 中世の暮らしは実にいきいき描かれていて、貴重な資料です。

投稿: 市絛 三紗 | 2004.08.11 23:37

お久しぶりです。
帰国して1ヶ月があっという間に過ぎてしまいました。日本食が食べられる嬉しさはありますが、ヨーロッパのゆったりと流れる時間が、既に懐かしく感じられます。
PCの件はショックですが、みなさんも結構大変な目に会われているんだと思ったら、そうそう落ち込んでもいられないなと考える今日この頃です。
ガレットは大好きです。パリにいたときにも何度かCrêperieで食しました。そして、シードルは外せませんね(笑)。

投稿: のり | 2004.08.12 15:29

のりさん。こんにちは。

時間の観念はちがいますね。定食をたのんでも1時間以上かかることがしばしば。日本じゃ昼休みが1時間しかないから、何も食べられません(笑)

日本の旅行会社が日程を組むのに、頭を悩ませる点のひとつでしょうね。

投稿: 市絛 三紗 | 2004.08.12 17:45

これが究極の!!!パリでこの究極を味わうのは無理だろうけれど、パリ一番のガレット屋さんをみつけなきゃ!

投稿: にこ | 2006.01.18 19:46

にこさん。こんにちは。

私も久しぶりにこの写真を見て食べたくなりました。いつか一緒に、ここに行きましょう。

投稿: 市絛 三紗 | 2006.01.18 20:02

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/17948/1144800

この記事へのトラックバック一覧です: 究極のガレット:

« Yahoo対策 ブルターニュ普及作戦 結果報告 | トップページ | フランスの原子力発電 »