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2004.08.11

フランスの原子力発電

nucleaire.jpg   3日間、樹木の専門家に会うためにブルターニュ内陸部に行っていた。テレビも電話もないと聞いていたので、パソコンは持っていかなかった。夕方戻ってきて、スーパーで買い物をした。レジのところにおいてある地方紙Ouest-Franceの第1面の「日本、原子力発電所内で蒸気が人を殺す」という記事が目にはいったのであわてて帰宅し、パソコンで日本のニュースを見た。

  事故にあわれた方々は20-50歳代。すでに4人が亡くなっている。「破裂部分は76年に運転を始めてから一度も点検されていなかったという」(朝日新聞)定期点検を忘れていたとは、あまりにお粗末すぎる。加えて次のような認識の甘さが問題となろう。「今回の美浜原発事故でも作業員は普通の作業服を着ていた」(産経新聞)というのだから。この怒りをどこへぶつけたらいいのだろう。火事ならば、自分で逃げきれる可能性もある。だが、放射能漏れがあっても自分では察知しようもないし、わかってからでは遅すぎる。ほんとうに怖い。

   フランスの原子力開発計画は、1973年のオイルショックで加速し、翌年には「全電化-全原子力」の方針が決定された。そしてわずか10年で総発電電力量の50%が原子力発電によるものとなり、2001年末には77%に達している。詳細については科学省のホームページ「原子力百科事典ATOMICA」(フランスの原子力政策および計画)をご覧いただきたい。

   先週ロワールの城めぐりをした時に、原子力発電所を見た。小高い丘のうえからあたりを眺めると、そこだけ異なっていた。写真ではわからないが、白い煙のようなものに取り巻かれているのである。なぜ原子炉がロワール川のほとりにあるかというと、原子炉の冷却に川の水を用いているからである。排水は川に戻されるので生態系保護のためその温度が定められているのだが、昨年の猛暑の折には政府が規定よりも高温での排出を認める例外措置を取り、物議をかもした。フランス人の友人も「何ごとも完全なものはないから一抹の不安を感じている」と言っていた。中世の栄華をとどめる古城のすぐそばで見たフランスの一面である。

   念のため、すべての原子炉の再点検をすぐ実施してほしい。そして、もう二度と、このような悲しい事故が起きないことを祈りたい。

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