« サン=テグジュペリの薔薇 | トップページ | モルビアン湾を往来する船 »

2004.09.02

シラク仏大統領の日本離れ進行中か?

  仏大統領日本離れ?演説で触れず「親日家」イメージ変化は産経新聞の8月30日付け記事だった。記事では、大統領が毎年八月に行う演説で、昨年まで主要パートナーとして挙げていた日本の国名がなかったこと。さらに日仏で誘致している国際熱核融合実験炉(ITER)の仏候補地名を挙げて誘致実現を訴えたことで、「親日家大統領」のイメージに変化がみられたと分析している。

  加えてシラク大統領がまず米国に言及し、米国を「恒久的な同盟、友好国」と定義したことは注目にあたいする。だが後で「多極的世界の誕生という現実」に触れ、世界が決して米国主導で動いているわけではないことを指摘することも忘れていない。記事は「日本としてはフランスはぜひとも味方につけておきたい常任理事国の先輩だけに、大統領の「日本離れ」は気になるところだ」と締めくくられている。

  これを書いたのは、産経新聞パリ支局長の山口昌子さんである。ずっとフランスの動きを報道の第一線で見続けてこられただけに、重みのある言葉だと思う。この記事に対してBLOG天木直人・マスメディアの裏を読むには、さらにつっこんだ見解が書かれている。8月30日のシラク大統領が日本と距離を置き始めたのか?で、天木直人さんは、「シラク大統領は明らかに小泉首相を嫌っている。いや馬鹿にしているのだ」と述べている。レバノン経済への協力要請をことわったことと、米国追従一辺倒の態度をとった小泉首相に失望しているという要旨である。

  日本にいると、欧州、中東、アフリカはそれぞれ全く異なる概念でとらえているのが普通であろうが、実際に暮らしてみると、地中海をはさんで隣国であり、欧州各国が中東やアフリカ情勢にとてもこころを配り、配慮していることがわかる。このことをよく頭にたたきこんでおかないと、マドリッドのテロ、そして今回のジャーナリスト拉致の衝撃がよくわからないはずである。小泉首相が真剣な話し合いの場でもし寿司と相撲の事ばかり話したとすれば、シラク大統領でなくても、お話にならないと思って当然だろう。世界情勢は刻々と変わっている。ちょっとでも目を離しているともうついていけなくなるので大変だ。

    参考書籍

  手元にある山口昌子さんの本を2さつ紹介する。大国フランスの不思議 角川書店 2001 は1994~2000年までの記事をまとめた本で、フランスの様々な顔を垣間見ることができる。シャネルの真実 人文書院 2002 は20世紀という時代を生きたシャネルを直接知っている人たちを丹念に取材して書かれており、シャネルの仕事への情熱がひしひしと伝わってくる。フランスを知りたい方はぜひどうぞ。

 

|

« サン=テグジュペリの薔薇 | トップページ | モルビアン湾を往来する船 »

コメント

確かにフランスにおける日本の占める地位は小さくなってきているように感じます。友人の子供の通う私立学校でもここ20年来第2外国語として日本語を採用してきたのが今年から中国語に変わったそうです。
中国と比べられたら厳しいのは事実ですが、そこを政治力で補えるほどの実力が日本の政治家にあるのかどうか・・・。

投稿: ふらんす | 2004.09.02 16:27

ふらんすさん。こんにちは。

私は反対に日本語を勉強している人が多いことに驚いています。中学、高校で日本語を習っているという人によく会います。

でも、この3年くらい中国人留学生が急速に増えてきたことは確かですね。

投稿: 市絛 三紗 | 2004.09.04 15:11

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/17948/1334214

この記事へのトラックバック一覧です: シラク仏大統領の日本離れ進行中か?:

» シラクの日本離れ? [ガーター亭別館]
 「うるわしのブルターニュ」さんのところに、「シラク大統領の日本離れ進行中か?」 [続きを読む]

受信: 2004.09.02 22:43

« サン=テグジュペリの薔薇 | トップページ | モルビアン湾を往来する船 »