鉄の教会
パリの教会といえば誰もがシテ島にあるノートルダム寺院やサントシャペルを思いうかべるだろう。モンマルトルには真っ白なサクレクール寺院がある。内部に描かれたキリストが大きく手を広げた姿は息を呑むほどだ。その隣にはサンピエール教会がひっそり立っている。観光客でにぎわうテアトル広場で絵描きたちの絵を見て、すぐ近くにあるダリ美術館に行き、ゆっくり坂を下りるとアベス広場に出る。アール・ヌーヴォー様式の優雅な曲線を描くメトロの入り口をじっくりながめたら、広場の周囲を見渡してほしい。
するとこの外観が目にはいるはずだ。何と、これは教会なのだ。Eglise Saint-Jean-de-Montmartreサンジャン・ドゥ・モンマルトル教会である。建築家Anatole de Baudotアナトール・ドゥ・ボドが1894年から1904年にかけて建てたもので、はじめて鉄筋コンクリートを用いたネオ・ゴチック教会である。私はドアのうつった写真を一枚だけたずさえてここを訪ねたのだが、実際にそのドアの前にたつと、細かな細工がほどこされており明るい日差しの下ではあまり重い印象はなかった。
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