中世写本の講習会
10月15日にNHK教育テレビで「世界美術館紀行」古城に眠る世界一美しい本 フランス・シャンティイ城が再放送されてからオマール公、ベリー公等で検索してこられる方が多く、数件の問い合わせもあった。カテゴリー別の文化・芸術、書籍・雑誌という欄でこれまでに紹介した中世写本やコンデ美術館の様子などが一度に見られるようになっている。
現在まで残っている装飾写本は数がごくわずかであり、古文書館の奥にしまわれていて実物を見ることはなかなかかなわなかったのだが、ルーブル美術館のPARIS1400関連で実に貴重な写本をまとめて見ることが出来た。専門家でもなく、ラテン語で書かれているので読めるのはいくつかの単語くらいなのだが、年代や字体の違いを比較してじっくり鑑賞できた。今では写本関係の書籍やDVDも多数販売されていて、ルーブル美術館に併設されている本屋は品揃えが豊富である。
写真は6月から7月末までレンヌで行われていた「中世写本における音楽とユーモア」という展示会の数十点の作品の中のひとつである。ちゃんと額に入れられていたのだが、見やすいように絵の部分だけを拡大した。私が撮影した写真なので少しひずんでいる。それでも、金色の部分の独特の輝きと盛り上がり具合までわかるだろう。つくったのはBêatrice Toulemondeさんで、その場で販売もしていた。羊皮紙、顔料なども展示されていて興味深かったが、ユーモアと題されているように、ウサギが竪琴をひいている絵があったり、楽器や中世音楽の解説がとてもおもしろかった。
11月20日と21日にレンヌでAtelier Palimpsesteが中世写本の講習会を行うそうだ。必要な材料(動物の皮、ペンなど)すべて込みで100ユーロだそうだ。年に何度かあるようなので、詳細は下記に問い合わせてほしい。
連絡先 Atelier Palimpseste 06 86 93 00 71
参考文献
日本語で書かれたカリグラフィー入門書
2冊とも美しい実例がたっぷりはいっているので練習には最適
カリグラフィー―欧文書体の書き方100 バイブルシリーズ デビッド ハリス著 日本ヴォーグ社 2004
すぐに使えるカリグラフィと飾りケイ―伝統のヨーロピアンスタイル ヨハン・ゲオルク シュヴァンドネル著 東京美術 2001
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コメント
「世界美術館紀行・シャンティイ城」は10月23日(土)にNHK総合で再々放送です。朝早いので、ご覧になりたい方は早起きするか要録画かと…。
http://www3.nhk.or.jp/hensei/ch1/20041023/main_05-12.html
投稿: 有泉 | 2004.10.20 00:21
有泉さん。こんばんは。
そんなに再放送してるんですか・・・
リクエストが多かったのでしょうか?
この講習会、今回は参加できそうにないのですが、
どんな様子なのか、いつかは体験したいです。
投稿: 市絛 三紗 | 2004.10.20 00:44
こんにちは!講習会の情報ありがとうございました。
いつか、外国での講習会にも参加できるくらい、自分の実力と語学力を磨きたいです。
今年、たまたまパリに行く事ができ、ルーブルの特別展と、クリューニ美術館、マルモッタンと写本をいっぱい見ることができました。本当に感動し、勉強になりました。いつか、そちらにも伺いたいです。
これからも生の情報、期待してます!!
NHKの番組、そんなに反響が多いなんて、嬉しいです。にほんでも写本に興味を持つ人がもっと増えると、展示会などの機会も増えるかもしれないし、カリグラフィーへの興味ももっと増えるかもしれません。そうなるといいなぁ・・・
再放送はばっちり録画します!!
投稿: れいれい | 2004.10.20 09:13
れいれいさん。こんにちは。
「ベリー公のいとも優雅なる時祷書」をあまり知らなくて、放送を見たら、「これ何」と思うでしょうね。美しいですから。
自分で書くのは大変ですが、どう制作するのか知りたいです。工場とかアトリエ見学って大好きなんです。
投稿: 市絛 三紗 | 2004.10.20 14:17
はじめまして。
(もしかしたら、かなり昔に一度くらい書込みしてるかもしれません・・・。)
れいれいさんや、ベネットさんの所から、ときどきお邪魔しています。
ちょうどこの書き込みスペースの左に載っている、「ケルトの木の知恵」の本は、去年私も買いました。
キレイな本ですよね!
私はカリグラフィーをしているので、いずれ作品に役立てたいです。
投稿: yayo | 2004.10.20 23:46
yayoさん。こんにちは。
私も見せてもらっています。自画像、素敵です。
今現在はさらに古い9世紀のHrabanus Maurusという人について講義を聞いています。
http://www.almaleh.com/raban.htm#
拡大してもらえばわかりますが、すべて文字、ちゃんと文章になっているし、ラテン語の言葉遊びだらけで、お手上げです。
キリスト教徒ではないので、ある言葉が何を暗示しているかなんて知らないですからね。でも講義でつかうのは白黒コピーなので、こんなきれいな色がついているとは知りませんでした。
投稿: 市絛 三紗 | 2004.10.21 03:09
おおー!
おもしろいですね。
私も本気でお手上げです。
でも、私のサイトによく書き込んでくださってるアンジェリクさんならわかるかも。
キリスト教に詳しくて、ラテン語も少しわかる方なんです。
さっそく見てもらいます!
投稿: yayo | 2004.10.21 21:02
yayoさん。こんにちは。
たとえば2段目中央はles quatre évangélistes(4人の福音史家、マタイ、マルコ、ルカ、ヨハネ)を示しています。そこまではわかるのですが、ラテン語、フランス語のテキストとさらに詳細な解釈が加わって時間がいくらあっても足りません。
投稿: 市絛 三紗 | 2004.10.21 21:35
こんにちは!ヴァチカン所蔵のものなのですね?こんなのがあるって知りませんでした。面白いですね!!色の付いた羊皮紙の上に書いてあるものは見たことがありますが、こんな風に絵の上に文字を書いたものを見たのは初めてです!
投稿: | 2004.10.22 00:42
こんばんは。お名前ないのですがどなたでしょう?
インターネットって本当に魔法の箱。自宅にいながら、ヴァチカン図書館のマーク入りの本を拡大できたりするのですから・・・
投稿: 市絛 三紗 | 2004.10.22 01:50