ナポリ王ジョセフ・ボナパルトの紋章
不思議なモチーフの紋章を見つけました。掲示板のおしゃべりでtriquêtreという単語を探したのがきっかけなのですが、私自身はじめて目にするモチーフだったのでここにも載せることにしました。
この紋章の持ち主であるJoseph Bonaparteジョセフ・ボナパルト(1767.1.7~1844.7.28)はナポレオンの兄です。ナポリ王(1806~1808)とスペイン王(1808~1813)になりましたが、在位していたのはわずかな期間です。
さてそのモチーフとはtriquêtre (trois jambes posée en pairle issante d'une tête de Mercure) メルキュールの頭から3本の足がでているというもの。古代のメダルにも使用されていたらしいのですが、どこでどのようなかたちで表記されていたのか、今のところこれ以上のことはわかりません。
ほかの紋章を見ると、同じモチーフでもはだしではなくて拍車のついた靴をはいているものもありますね。ほかに何か情報をお持ちの方はお知らせください。
追加情報
マン島のケルト神話 参照
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コメント
あまりいい情報が見つかりませんでしたが、一応トラックバックしておきました(facet::Diary)。
# 最後の日本語サイトは結構良かったです。
この三脚シンボルは、脚が回転していつも進んでいるようにも見えるので、常に進む、つまり、未来永劫の繁栄への祈念や常勝のなんかも暗示しているような気がしました。
結局、どうシンボライズしたら最も目的に適うのかというところで、モチーフが選ばれているのでしょうね。
どういう経緯で使われだしたのか...何かいい情報があるといいですね。
投稿: facet | 2005.01.23 02:50
こんばんは。
日本語のサイト、何でも詳しい人がいますね。ルーン文字の解説つきとはすごい! 左にある「ケルトの木の知恵」にもちょっとでてきますが。井村さんも勉強しておもしろいと言ってましたが・・・ 私はそこまで無理ですけれど。
投稿: 市絛 三紗 | 2005.01.23 07:31
初めまして。
ジョゼフがこれを用いたことについては、ジョゼフがナポリ王であったことも影響しているのではないでしょうか。
ナポリはもともとシチリア王国で、これを建てたのはノルマン人です。
拍車とかそういうのは、メルクリウス(即ちヘルメス)を象徴しているように思われます。
投稿: dzlfox | 2005.01.25 21:16
はじめまして
歴史のことを実に丁寧に調べてらして、時々拝見していました。une triquêtre de carnation (Ile de Sicile)確かにシチリアの名前がでてきますね。
何を意味するかなんて本を読んだだけではわからないことがたくさんあります。フランス語の詩で「難破船」という言葉の解釈で、フランス人の先生が「フランス人なら愛のいとなみが行われたとすぐわかるわ」といったのですが、私は「日本ではそんな言い回しは聞いたことありません!!」と答えました。
投稿: 市絛 三紗 | 2005.01.25 22:46
見に来ていただいておりましたか。
ありがとうございます。
確かにそうです。机上の学者に対する現地に赴いた学者の利点の一つがそれでして、他の例えでいえば実際に英国の空を見上げないと、何故ターナーの絵がああいった色合いなのか理解するのは難しいように思います。
これからもよろしくお願いいたします。
投稿: dzlfox | 2005.01.31 01:21
こんにちは。
一番はじめにフランスに来たときとても寒くて、「あ。雪」とおもってコートをよく見ると、全部雪の結晶だったんです。
よく絵本で雪の結晶が舞い降りているところが描かれていますが、信じていなかったんです。寒くても何だかうれしかったです。
投稿: 市絛 三紗 | 2005.02.01 02:11