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2005.01.28

アウシュビッツ強制収容所・解放60周年

  ここ数ヶ月必要にせまられてEdmond Jabès エドモン・ジャべスのLe Seuil Le SableとPaul Celanパウル・ツェラン( フランス語読みではポール・セラン )のChoix de Poèmes という詩集をおもに読んでいた。ジャべスはエジプト生まれ、ツェランは旧ルーマニア生まれでふたりとも後にフランス国籍をとっているユダヤ人である。ふたりの詩には死を暗示する言葉が幾重にも連ねられているので、こちらもしっかりした気持ちで読まないと重圧に押しつぶされそうになる。薔薇の花がユダヤ人を象徴し、アーモンドが聖なる木であることも知った。

  昨晩もこの二人と向き合っていた。ひと休みしようとテレビをつけるとアウシュビッツ強制収容所の映像がうつった。ああ。そうなのだ。強制収容所はちょうど1945年1月27日にソ連軍により解放されたのだ。今日は記念式典が行われ、雪の降りしきるなか、全世界から多数の人々が式典に出席した。その様子は「地上の地獄」忘れるな アウシュビッツ解放60年式典 (共同)で見ることができる。

  だが解放からもう60年が過ぎ「アウシュビッツ」という言葉さえも風化しつつある。つい最近も英国のヘンリー王子がナチスのカギ十字紋章付きシャツを着た写真が大衆紙をにぎわし、不謹慎だと大騒ぎとなったばかりだ。一方で次のような記事もある。

ナチス支配下の在欧ユダヤ人が英国の委任統治下だったパレスチナの銀行に投資した資産が、第2次大戦の始まりとともに接収され、今も未返還のままイスラエルの銀行に残されている。イスラエル国会の調査で約9000人分の口座があることが分かり、国会は本人や遺族に返還するよう政府と銀行に求めている。返還額は最大で約9億5000万シェケル(約218億円)にもなるとされるが、持ち主の3分の2はホロコーストの犠牲となりすでにこの世にない。  朝日新聞  2005年01月20日

  もちろん我々は何が行われたのかを直接知ることはできない。シンドラーのリスト戦場のピアニストのような作品を通して、戦慄を覚えるような事実を推し量るのみである。生き残った者たちも悪夢から逃れるのは簡単ではない。ツェランはフランス語も堪能だったのだが、終生ドイツ語で創作を行った。そして20世紀を代表する詩人として名声を博したが、やがて神経を病み、1970年にパリのセーヌ川にみずから身を投げその人生に終止符を打った。

  もう日付がかわって28日になったが、テレビ(2チャンネル)ではまだ特別番組が続いている。たくさんの生々しい写真が画面にうつしだされている。いくつかの小学校では通常の授業を取りやめ歴史を学ぶ日にしたようだ。日本ではいったいどのように受け止められたのだろうか。

    参考文献

 パウル・ツェラン全詩集〈1〉パウル・ツェラン全詩集
 歓待の書 エドモン・ジャべス


  

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