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2005.02.05

光の魔術・アラブ世界研究所

ex  太陽が燦々と降り注ぐ夏の日、まるで万華鏡をのぞいているかのように、美しい文様が床に描きだされる。何と美しいのだろう! 言葉を重ねてもこの美しさをうまく表現できない。光の魔術を我々に体現させてくれるのがパリのセーヌ川ぞいにあるInstitut du monde arabeアラブ世界研究所(1987年完成)である。

  左の写真は南側壁面の一部を外部から撮影したもの。右の写真は夏の日差しがあざやかなイスラム文様を描いている建物内部の様子である。1974年にアラブ諸国との文化交流の推進が決定され、フランス政府とアラブ20カ国が共同出資してアラブ世界研究所の構想が具体化した。設計は国際コンペで選ばれたJean Nouvelジャン・ヌーベルだった。日差しがきつくなればアルミニウム製のパネル(70の図形の集合)が電動で絞り込まれ調整できるようになっている。Arabu
南側壁面はこのパネルが240枚使用されている。イスラムの伝統を尊重しつつ現代に見事に蘇らせた素晴らしい建築である。彼はその後もOpéra de Lyon, la Fondation Cartierなどを手掛けている。

  撮影したのは2001年の夏。ヌベールに行って、パリ経由でブルターニュに帰るところだった。なかなかパリへも行く機会もないので、モンパルナス駅のコインロッカーに荷物を預け数時間だけパリ見物をした。とっても暑い一日だった。たまたまモンパルナス駅で切符を買いに来た友達と出会い、一緒に古代ローマのArènes de Lutèceリュテス闘技場とそこから500メートルしか離れていないアラブ世界研究所を訪ねレンヌに帰ってきたのである。パリにはいろんな顔がある。屋上にあるオープンカフェからはサン・ルイ島やノートルダム大聖堂のあるシテ島が眼下に眺められる。古代、中世から現代までありとあらゆるものを飲み込んでそれでも輝き続ける花の都パリ。次はどんな顔を見せてくれるのか、楽しみにしていよう。
 
  Institut du monde arabeのホームページ。左下のArchitectureというところをクリックすると、写真が見られる。

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文化・芸術」カテゴリの記事

コメント

初めまして!影で描く模様素敵ですね~♪
ホームページのリンクも見てきましたが、
きっとライトアップも素晴らしいのでしょう..
見たことのない景色を見に、また遊びにまいります。

投稿: gokigenluke | 2005.02.05 09:20

はじめまして。

パリに住んでいるわけではないので、ライトアップされたところは見たことがないですね。

この建物は非常に有名ですから日本にいるときから知っていました。もし近くに住んでいたら度々行ってしまいそうですが。

投稿: 市絛 三紗 | 2005.02.05 17:34

去年の夏に訪れたところ、定休日?でした。
でも建物の美しさは外からでも、十分。近くのモスクを回り、Jardin des Plantesを一回り。植物園も大変に美しかった。また同じコースを回ってみたいです。

投稿: ザジ | 2005.02.07 19:02

残念でしたね。植物園の並木はくつろげます。その横の自然史博物館もいいですよ。

投稿: 市絛 三紗 | 2005.02.07 20:44

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