マン島のケルト神話
ブルターニュの地図を探していて、以前から気になっていた不思議なモチーフにまた出会った。ナポリ王ジョセフ・ボナパルトの紋章で書いたtriquêtre (trois jambes posée en pairle issante d'une tête de Mercure)で、 メルキュールの頭から3本の足がでているというもの。
Drapeaux celtesケルトの旗というところにtriquêtreの記述があった。
Le dieu celte de la mer Mananann, dont l'île tire son nom aurait lors de l'invasion de l'île par les vikings dévalé une montagne en se métamorphosant en trois jambes et les aurait fait fuir.
ここに出てくるMananannマナナンはケルト神話の女神ダヌーの子孫であるダーナ神族の一員。金髪、碧眼で知られる海の神である。ティル・ナ・ノグと呼ばれる常若の国に住んでいて、海の上も駆け抜けることができる馬やどんな鎧でも防げない剣などを持っていた。彼の名前がマン島の由来になっているのだが、このモチーフはヴァイキングに攻められたとき山が3本の足に変身したという壮大な話なのだ。マン島政府のホームページに使われている紋章はとてもきれいだ。
さらに付け加えると、ダーナ神族は超自然な力をもつ妖精へと変質してゆき、瀕死のアーサー王も常若の国に運ばれ、ここで今でも暮らしているはずだ。またケルト白鳥伝説で紹介したThe children of Lir: Stories from Ireland「リールの子供たち」のリールとは、マナナンの父親である。これは、継母の魔法で白鳥に変身させられた4人の王子と王女たちが900年間放浪する切ないお話。ダーナ神族についてさらに知りたいかたは井村君江さんのケルトの神話―女神と英雄と妖精と講談社学術文庫 をどうぞ。
| 固定リンク
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- 『ナイトランド・クォータリー vol.31 』往方の王、永遠の王〜アーサー・ペンドラゴンとは何者だったのか(2023.01.13)
- 「幻想映画ヒロイン大図鑑」永遠の恋人から絶叫美女まで(2015.10.29)
- パリから一泊! フランスの美しい村(2015.06.17)
- Plans de Paris 携帯できるパリの地図(2015.02.24)
「文化・芸術」カテゴリの記事
- Le livre d'heures de Jeanne de France ジャンヌ・ド・フランスの時祷書(2015.10.04)
- Gauguin et l'École de Pont-Aven ゴーギャンとポン=タヴァンの画家たち(2015.07.03)
- スミソニアン博物館のデジタル画像(2015.01.24)
- 90e anniversaire du partenariat culturel franco-japonais 日仏文化協力90周年(2014.06.20)
この記事へのコメントは終了しました。




コメント
ニュースの件、お役に立てず済みません。一昨年、妻とブルターニュを回ったのですが、その前にこのブログに巡り会っていたらもっと充実した旅になったと思うと残念です。
投稿: masayuki | 2005.03.14 05:27
お手数をおかけしました。
ブルターニュへは、また是非機会をみつけておこし下さい。
そちらのコメントに書き忘れたのですが、記事の中でアラン・フル二エの名前のついた学校が危険校になっていて悲しかったです。大学の卒論でアラン・フル二エを書いたので、思いいれがあるものですから・・・
投稿: 市絛 三紗 | 2005.03.14 05:50