« ミュージックバトン | トップページ | ケルト組み紐模様のペンダント »

2005.06.25

フランスの最も美しい村々

4047041785   フランスの「美しい村」を訪ねて 辻 啓一著 角川書店 2004 

   ゆるやかな起伏のある広大な平野を車で走っていると遠くのほうに教会の屋根が見えてきて、緑に抱かれるように点在する村々に少しずつ近づいているのがわかる。数十年後に再び訪れてもほとんど変わらないのではと思えるようなのどかな風景だ。

  だがフランスでも仕事を求めて人々が都会へと移り住み、過疎化してゆく村が増加している。誰も住まなくなり朽ち果ててゆく家もたくさんある。グリーンツーリスムが定着するにつれて、のんびりと田舎でバカンスを過ごしたいと考える人も増えているのだが、そういった人を受け入れるためには民宿やカフェなどの受け入れ体制を村全体で考えなければあまり意味がない。

  そんな取り組みのひとつがLes plus beaux villages de France フランスの最も美しい村々である。1982年に創立された全国組織である。辻 啓一さんが書いたこの本は「マリー・クレール・ジャポン」2001年6月号~2003年5月号に連載されたものに未発表原稿を加え、26の村を取り上げている。美しいカラー写真が旅情をさそう。

  この協会に登録するにはいろいろな条件を満たさないといけない。たとえば道路網が整備されていること、人口2000人未満であること、史跡建造物があるか、風致地区に指定されていること、電線が地下に埋め込まれていることも必須だ。数年ごとに行われる審査で資格を失うこともあるので村人たちは庭に花を植えたり、窓をきれいに飾ったり、それぞれが美化のための努力をしている。

  先月旅行したときに非常に美しい夕焼けを見た。テーマパークのように魅力的な設備があるわけでもなく、何の変哲もない畑だったが、きっとあの夕焼けは忘れないだろう。あるがままの暮らしや自然を守り共存してゆく「フランスの最も美しい村々」、一度訪ねてみませんか。

    ほかにくわしいガイドブックも出版されている。こちらはオールカラーでとても見やすいがすべてを網羅しているので情報の少ない村もある。フランスの美しき村―コンプリート・ガイドブック菊間 潤吾著 新潮社 2002
  

    < 関連エントリー >

  Noël de Rochefort-en-Terre ロッシュフォール・アン・テールのクリスマス
  360度パノラマ写真で見るLocronan ロクロナン
  新番組 "Le Village préféré des Français"
   美しき村 Le Faou ル・ファウ

|

« ミュージックバトン | トップページ | ケルト組み紐模様のペンダント »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

Bretagne 情報 1」カテゴリの記事

コメント

来年四月フランスの美しい村のいくつかでも回りたいと思っています。私は在カナダバンクーバーの油絵描きです。何冊か本を買いましたが、やはり車を使うのがよろしいでしょうか。いろいろわからないことばかりです。パリやロワールはすでにツアーにて回ったことがありますが一人旅?は初めてです。どうぞよろしくお願いいたします。私もカナダで小さなB&Bをしています。それで残念ながらハイシーズンは出かけられません。

投稿: 柳谷千恵子 | 2007.11.24 01:20

こんにちは。

絵を拝見いたしました。繊細な色使いがとても素敵ですね。私は小学生のころカナダにあこがれておりましたが、まだ行ったことがありません。

さて、美しい村々は過疎になって人口が減っている村の復興という意味合いもあり、辺鄙な場所にあります。やはりレンタカーを使うのが一番です。だいたいのルート、行きたい場所などを教えてくだされば、アドバイスできると思います。

投稿: 市絛 三紗 | 2007.11.24 10:08

 はじめまして。先週、フランスの美しい村の一つである、ブブロン村へ行ってきました。モンサンミッシェルへのバスツアーです。あいにくの小雨でしたが、メインストリート! を散歩し、パン屋でガレット、酒屋でポモー、雑貨屋でキーホルダーなど30分があっという間でした。お土産用に、パン屋で添乗員さんおすすめのソフトタイプのクッキーをいっぱい買ってきました。袋に16枚入って6ユーロくらい。さすがに帰ってみると多少割れていましたが、割れたのは自家消費して、きれいなものを小分けして友人に配ると大好評でした。モンサンミッシェルで箱入りのクッキーも買いましたが、パン屋さんの方がずっとおいしかったです。
学生時代フランスに留学して、ブザンソンとパリに住んでいました。ピカルディーにホストファミリーがあって、長期休みの旅にお邪魔しました。ちょっと方向は違いますが、延々と続く牧草地に牛と羊がちらほらと見える風景を懐かしく思い出しました。ひさしぶりにおいしいシードルも飲めて、楽しい旅でした。
ところで、私も絵を描いています。ブログのアドレスを載せましたので、是非見てください。


投稿: 西本眞理子 | 2010.04.04 15:28

こんにちは

とっても素敵な花の絵、見せていただきました。ここ数カ月ローズガーデンをつくりつつ、一緒に植える花のことばかり考えていました。

今日もビオラを植えかえたり、珍しい花の種をまいたりと庭で半日過ごしました。


「ノルマンディーの小さな村 Beuvron en Auge ブーヴロン・アン・オージュ」
http://bretagne.air-nifty.com/anne_de_bretagne/2007/10/beuvron_en_auge_62cc.html
2007年の秋に行きましたが、花がきれいに咲いていて可愛い村でした。

投稿: 市絛 三紗 | 2010.04.04 16:17

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: フランスの最も美しい村々:

« ミュージックバトン | トップページ | ケルト組み紐模様のペンダント »