報道の自由と「国境なき記者団」
今年3月にフランスの子供新聞からというエントリーを書いた。紛争地帯に派遣されているジャーナリストたちがいかに重要な職務を負っているのか、そしていかに危険であるかを子供たちに説明している特集だった。カメラマンの足元に白煙があがっている写真もその実態を示すものだった。
フランスにはRobert MENARD ロベール・メナール氏らが1985年に設立したReporters sans frontières「国境なき記者団」というジャーナリストのための団体がある。89年からは世界各地で投獄されている記者や殺害された記者に関する年次報告も発行している。
その「国境なき記者団」が9月22日Guide pratique du blogger et du cyberdissident ブロガーおよびサイバー反体制派のためのガイドブックを発表した。世界では「検閲・発禁」などの報道抑圧が行われている国もある。「国境なき記者団」は具体的に中国、ベトナム、イラン、キューバ、サウジアラビア、ウズベキスタンなどを挙げている。
そのような国ではブロガーだけが真のジャーナリストであると述べ、匿名でブログを運営する方法や検閲を迂回する技術的手段などを詳しく解説しているのである。フランスの新聞Liberationは「明快で有効、誰もがアクセスでき、しかも無料である」と述べている。
この解説書は87ページのボリューム。こういったジャンルでははじめての試みではあるが、「国境なき記者団」は危険を冒してまで、情報を提供しているブロガーのために検閲の裏をかく方法を公表したのである。しかもフランス語だけではなく英語、中国語、アラビア語、ペルシャ語でもサイトから無料でダウンロードできる。
だが報道の自由が確立されていれば、このようなガイドをわざわざ作成する必要はなかったわけである。実際にイランで14年の懲役刑を言い渡されたArash Sigarchi アラシュ・シガルチ氏の体験談も載っている。自由に表現できることのありがたさ、よくかみしめないといけない。発行にあたってはフランス外務省の支援があったことを付けくわえておく。
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コメント
3日になってようやく日本で大手通信社の記事を目にしました。
日本で生まれ日本で安穏と暮らしていると、本当にそのような検閲が存在し懲罰を受ける人がいるのだということを忘れてしまいがちです。
報道抑圧が行われているとされている国の大都市から来た留学生と、その国の暗部についての話をしようと思ったら、全然知らないと言っていました。本当に知らされていないのかそれとも、その暗部について語ることにモンダイがあるのか(それとも、個人的にその話をしたくないのか)……と思ったのを思い出しました。
自由に発言できる!! ありがたや。
投稿: H | 2005.10.03 09:20
その国ごとに状況は異なるでしょうが、知らないということもありうるでしょう。日本での生活を考えても、いつもの新聞を読み、いつものテレビのニュース見る。そこで報道されていなかったら知らなくても当然です。
私自身も外国にいるからこそ、インターネットでいろいろな新聞に目を通しますが、日本でいた時はそこまでしていなかったですから。
日本の某新聞社の文化部で勤務している女性記者と話をしたときに、新聞の経済や政治欄は読まないと聞き、本当に驚いたことがあります。
投稿: 市絛 三紗 | 2005.10.03 13:45