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2005.11.29

季節はずれの雪 決死のドライブ その2

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  車は前に長距離を走ったときハンドルから異常音がしていたので修理にだして、修理費を320ユーロを支払った。Axe de direction方向軸の調整とDouille Aiguilles(軸受けの針??)を交換。これはハンドルの下部なので、たぶんステアリングと車軸をつなぐ歯車の部分なんだと思うけど・・・ ほかにはキャブレターの掃除もしてくれたようだ。ハンドル操作がとても軽くなって快適。古い車だから重いのではなく、壊れていたからあんなにハンドルが重かったんだな・・・ あとは追加として点火プラブとコードを交換しないダメとも言われた。いくらか聞くと150ユーロくらいだという。

  この朝、エンジンがかからなかったのでやはりこの点火プラブとコードを交換する必要があるのだろう。とにかく、できるかぎり急いで目的地のPont-L'Abbéポン・ラベへ。ジョスランをこえ、ロリアンをすぎもうすぐキャンペールだ。そこでガソリンを入れ、遅れていることを電話した。「天気が悪いからゆっくり気をつけて」と言ってくれたのでそのまま先を急ぐ。

  最後町にはいってから一方通行でとまどって時間をロスしたが、10時40分にその人の家に着いた。その時は大粒のヒョウ(直径6-8ミリ)が地面じゅうを飛び跳ねていた。こんなに大粒のヒョウがあたり一面を覆い尽くす光景などこれまでに見たことはなかったが、写真を撮っている余裕はなかった。

  家の中では5人が私の到着を待っていてくれた。しかも正装をして。この人たちはケルトの伝統を伝承するドルイドなのである。それから4時までじっくりと話をした。ブルターニュにはたくさんの組織があってとても複雑であるし、ほとんど一般には公開されていないので、市販されている本も彼らの活動を正しく記述したものはないと言うことだ。

  ブルターニュを理解するには、どうしても彼らに会う必要があった。私がただの興味本位ではないことを理解してくれ、どんなことでも私の質問に丁寧に答えてくれた。あとからわかったのだが、みんな離れたところに住んでいるのにわざわざ集まってくれたのだ。なんとかたどり着けてよかったし、このような機会を得たことをうれしく思う。今度会う日は後日連絡してくれるそうである。

  別れる時に「永遠の木」と呼ばれるIf(イチイ)の木の枝をおみやげにもらった。この会話は録音していないし、写真も1枚も撮っていない。今はまだここでどのようなことを話したかは書けないが、これはいずれきちんとまとめて出版する予定である。
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  帰り道、やはり車が冷え切っているのでエンジンがすぐにはかからない。本当はまだ行ったことのないコンカルノーに泊まろうと予定していたのだが、翌日はさらに気温が下がる予報なので、そのままレンヌにもどることにした。一般道を走っていると、低速でひどくハンドルがぶれて身体が固まった。(雪とは関係なし)。これはこれまでになかったことだ。本当に無事に帰宅できるか不安。レンヌに近づくと雪が激しくなってきた。やれやれ。写真は信号待ちをした時に撮ったもの。

  駐車場までたどり着くともう夜8時。少し横道を走ったので走行距離は520キロ。とっても長い忘れがたい一日だった。私は西へ向かったからよかったものの北の方向、サン・マロやモン・サン・ミッシェルに行ったとしたら渋滞にまきこまれ、路上で夜明かしなどというはめになっていたかもしれない。運がよかった。

  まだ車は修理にだしていないのだが、エンジンがかかるかだけ確認に出かけた。午後になると気温が上がっているので、数回でエンジンはかかったのだが、車を降りるとマフラーの下の地面に真っ黒なオイルがたまっている。えぇ。どこかからオイル漏れも・・・ これまた頭が痛いなあ。

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コメント

こんにちは!
ただの雪かと思いきや・・大雪なんですね!

投稿: yasu | 2005.11.29 16:56

初めまして、バルセロナに住むgyuと申します。
Rennesにお住まいで執筆活動をなさっていらっしゃるんですね。ケルト伝説はとても興味があり、今も本を読んでいるところです。
実は私の息子の恋人がRennesに住んでいるので(現在彼女は大学院生),二人はしょっちゅうBarcelona-Rennesを往復しているのです。息子の撮った写真や話を聞いてとても興味があるのですが、こちらのブログで大変詳しい説明があって楽しく読ませていただいています。
それにしても、今雪で大変なのですね。今週末またレンヌに行く息子、ブルターニュ半島の先端近くにある、彼女のおばあさんのところに行くといっていましたが、こんなすごい状態では心配になります。
ご無事でお家に着かれて良かったですね。

投稿: gyu | 2005.11.29 18:05

yasuさん。こんにちは。

もう雪は解けてありませんよ。寒い夜には熱燗がいいですね。こっちじゃ無理ですけど。

投稿: 市絛 三紗 | 2005.11.29 19:20

gyuさん。ようこそいらっしゃいました。

Barcelonaですか。ぜひ行ってみたいです。一度Broceliandeの森でBarcelonaから来た男性と一緒になりました。彼がいなかったら、トイレに閉じ込められたままでした・・・ 鍵があかなくなって、その人が他の人を呼びに行ってくれたのです。

その人もアーサー王伝説をとてもよく知っていましたね。ブルターニュにはほかにもたくさん、アーサー王伝説にちなんだ場所があります。息子さんと一緒にぜひいらしてください。 

投稿: 市絛 三紗 | 2005.11.29 19:30

三紗さん、こんにちは。以前コメントさせていただいたことがあるのですが、覚えてらっしゃるでしょうか?コメントはしていませんでしたが、時々拝見しています。

フランスは急に寒くなりましたね。こちらでは雪こそ降らなかったものの、我が家から見えるピレネーは真っ白になりました。
長距離ドライブ、何事もなくて何よりでした。

先日バスク地方にあるクレープ屋さんに行ったら、バスクの赤と緑の旗と、ブルターニュの白黒の旗が結んで飾ってありました。三紗さんのところでよく見る旗だぁな、と嬉しく思いました。
近くの街の知人が、もうインフルエンザ(グリップ)にやられたそうです。三紗さんもお気をつけくださいね。

投稿: モネ | 2005.11.29 23:07

市絛 三紗さん、今晩は。

大変なドライブでしたね。何だか、その車はあちこっちに不良箇所を抱えている様子ですが、いかがですか。

投稿: Tristan | 2005.11.30 02:41

モネさん。こんばんは。

もちろん覚えていますよ。子供さんはもう大きくなりましたね。クレープリーはどこにでもあってちょっとという時に手軽です。

Tristanさん。こんばんは。

この前修理にだした時に、「あちこち直してもまだまだ悪いところがでてくるんじゃない?」と聞いたんです。「大丈夫。ちゃんと動いてるし」と言われたのに。やはり10万キロが目安なんでしょうかね。でもこのままでは売ることもできないし、悩みます。

投稿: 市絛 三紗 | 2005.11.30 04:56

こんにちは^^
世界的に何か気象がおかしいですね。。
くれぐれも気をつけてくださいね☆

投稿: TYDA | 2005.12.02 13:45

TYDAさん。こんにちは。

ヨーロッパ全体が来年2月ころまで寒いという予報です。先週末はイタリアやドイツでも雪だったそうです。

投稿: 市絛 三紗 | 2005.12.02 16:49

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