街にひそむ狂気

待ちわびたイルミネーションが街を包み込む。クリスマス市を眺めながらヴァン・ショー(ホット・ワイン)を飲んだり、どこというあてもなくそぞろ歩いたりするのが冬の楽しみである。市役所前広場ではアーチストたちが自慢の作品を販売している。
昨晩はあまり寒くなかったので夜10時ごろから夜中まで撮影をした。うっとりするほど綺麗なのだが、その気分をこわすような光景もあった。若者たちはビールの小瓶を飲みながら歩いている。もうすでに酔っ払って大声で叫んでいる人たちもいる。何度もお金をせびられたし、カメラの前にふざけて飛び込んでくるものも多い。

バリケードやゴミ箱を引き倒して走り出すことなど、何とも思っていない。普段の夜は奇声がしても外まで出て行かないのだが、いつもこうやって騒いでいるのだと改めて思う。
今日は6時ごろから外で撮影をしたのだが、みんながバスを待っているレピュブリック広場で大喧嘩があった。10人ぐらいが急に固まりになって動き出したかと思うと、私の立っている所からわずか5メートルほどの場所で6-7人が1人の若者を取り囲み、殴る蹴るの暴行に及ぶ。女の子が2人、そのそばで「やめて!」と半狂乱になって叫んでいた。
いったんその輪が解けそれから数十メートル横でまた殴り合いがはじまった。やがてパトカーが到着し(写真の白い車がパトカー)道の真ん中に止まったのでバスが動けず渋滞になった。人垣ができその場で警官が静止にはいる。写真の両側に見える二人もその友達なのだろう。男性の顔が寂しそうだ。何があったのかはわからないが、ひとりに多勢とはやり方があまりにひどい。

一回りして市役所前にもどってきた。上の写真のように美しい市役所。でもその写真の左端ではちいさな小競り合いが始まっていた。右がそれを拡大したもの。たいした理由はないのだろうが、どうも殺伐としている。ちょうど今はトランスミュージカルの開催中で、昨年のこの時期一晩に催涙弾が250発も使用される惨事が起きたことはすでにメルマガに書いたとおりだ。
フランスではクリスマス前に犯罪がよく起きると言われている。こちらのクリスマスは家族で過ごすのが一般的。家庭のぬくもりを知らないものにとっては人一倍疎外感におそわれるつらい季節なのである。この優しい灯りが人を傷つけるとは、何と悲しいことだろう。
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コメント
怖い話です。寂しいなぁ。
こういう人たちが増えたら怖くて外を歩けません。
楽しいクリスマスなのに、なんという行動でしょうか?
あああ、、みんなが楽しんでいるところで、
その雰囲気を破ることのできる人は心の荒れているのですね。
なんだか寂しいです。
投稿: madoka | 2005.12.10 07:02
madokaさん。
今午前1時になりましたが、うるさくて眠れそうにありません。外でまだ騒いでいます。
昨年の話ですが、日本人の友人が夜9時ごろ地下鉄に乗ったらおばあちゃんが「12月は夜あぶないから、バスに乗ったほうがいい」と話しかけてきたそうです。レンヌのメトロは1路線しかないのですが、最新式の無人車両なんです。
殴られている場面は悲しくて写真は撮れませんでした。かわりに隣に立っていたおじいさんと「どうしてこんなことになるんだろう」としゃべりましたが・・・
投稿: 市絛 三紗 | 2005.12.10 08:59
市絛 三紗さん、今晩は。
12月に限らず、フランスでは街で暴力の場面に遭遇する機会が日本に比べると遙か多いですね。
出し抜けですが、『ロリアンの青い空』という少女漫画を読んだことはおありですか。一昔前までは、「ブルターニュに興味を持っている人でこれを読んでいない者はモグリだ!」と言われたものですが、今はどうなのでしょうか。
わたくしは中学生の時にこの『ロリアンの青い空』を読んですっかりロリアン(Lorient)の虜になり、実際にブルターニュの土を踏むまでは、ブルターニュと言えばロリアンのことでした。そのロリアンに初めて行った時に、流血を伴った暴力沙汰を目睹した時はショックでしたね。
投稿: M@s@sumi alias Tristan | 2005.12.10 16:19
残念ながら初耳です。聞いたこともないですね。
投稿: 市絛 三紗 | 2005.12.11 08:03