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2005.12.14

ウィキペディアの虚偽記載問題について

    いろいろ調べ物をするときに便利なのが百科事典Wikipediaウィキペディアである。これは誰でも無記名で記事を投稿できたり、またおかしなところを他の人が訂正できたりする百科事典なのだが、ここに記載された内容が事実と異なるものであっても、法的に名誉毀損の責任を問われることはないだろうというのである。

  ことの起こりは2005年5月にのアメリカの元ジャーナリストで著述家であるJohn Lawrence Seigenthalerジョン・ローレンス・シーゲンソーラー氏の項目にジョン・F・ケネディおよびロバート・ケネディの暗殺事件にかかわっていた可能性があると記載されていたこと、そして経歴にも誤りがあったというもの。9月になってこの事実を知った本人がウィキペディアに対して何度も抗議したのだが、実際に訂正されたのは10月だった。

  この経緯に業を煮やしたシーゲンソーラー氏は11月29日の「USAトゥディ」でウィキペディアを痛烈に非難した。その後同サイトを運営するウィキメディア財団(フロリダ州セントピーターズバーグ)のジミー・ウェールズ会長は12月5日、記事の投稿者にユーザー登録の義務を課す方針を明らかにした。

  この便利な百科事典ウィキペディアは英語版だけで85万件を超す記事を掲載している。日本語にはまだ翻訳されていないものもあるので、私はフランス語や英語などほかの言語でも検索するようにしている。ウィキペディアはそれぞれの分野の専門家やボランティア執筆者が新しい記事を投稿したり、すでに掲載された記事を編集したりできるというオープンソースシステムを採用している。その内容に関しては投稿者の良識にゆだねられている状態である。またユーザー登録の義務を課すとはいうものの、投稿済みの記事を編集する際には、登録なしでも行なえるのである。

  そして1996年に制定された連邦通信品位法(Communications Decency Act :CDA)第230条により、ウィキペディアは、たとえ誤った内容が公に掲載されていたとしても、名誉毀損の法的責任を免れることが出来るというのが専門家の見解である。なぜならウィキペディアはあくまでもサービスプロバイダだからである。

  ウィキペディアはその豊富な情報量で読者をひきつけてきたわけだが、記事数が増えるほど誤りも増えることは想像しうることである。私もこれまでこのブログの中で何度かウィキペディアの記事を引用したことがあるし、ひとつの記事からリンクをたどってほかの項目を参照できるので、最近愛用している。それゆえこの論争は他人事ではない。だがいちいち疑っていたら切りがない。いったいどうしたものだろう。

    参考資料


  フリー百科事典ウィキペディアから
  ジョン・ローレンス・シーゲンソーラー
  ジョン・シーゲンソーラー・ウィキペディア経歴論争

  「USAトゥディ」に掲載されたシーゲンソーラーによる論説
  泣き寝入りしかないのか--Wikipediaの名誉棄損問題が投じた波紋 CNET Japan
   拡大するフリー百科事典『ウィキペディア』の課題 WIRED NEWS

      追加 2005 12 17

フランス語の項目を翻訳して投稿された方が、翻訳であることを言い添えなかったため投稿を採用されず「厳格すぎ!」と感じた体験をこちらに書いている。同時にかなり偏った執筆者の意向がにじみ出た項目もあるそうで、こうなってくると、ますます使い方に注意しなくてはいけない。

ウィキペディア百科事典は信頼できるにNature誌の行った調査ではWikipediaとBritannicaが正確な情報源として同レベルにあるという結論になったことを記載した。

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コメント

Bonsoir.私もこのウィキピディアを使います。とても便利だと思います。真実かどうかも大切ですが、その言葉にまつわるいろんな論争を見る事ができるのは役立ちます。結局信じるか信じないかは、個人の判断ですし。
ところで、ブルターニュは私も好きです。親しい友人がブルトンで、近くのラ・ブールという所に避暑にいったりしています。ブルターニュのどちらあたりにいらっしゃるのですか?

投稿: kj | 2005.12.14 08:25

kjさん。こんばんは。

La Baule ラ・ボールのことかしら。きれいな砂浜があるリゾート地ですね。ここはRennesです。

投稿: 市絛 三紗 | 2005.12.15 00:57

そうでしたね。レンヌでした。他いろいろ拝見させてもらいました。友人のご両親がLa Bauleの海辺に住んでいて写真を見せてもらいました。昔ブルターニュを旅行したときはサンマロから、サン・マチュー?だったかの灯台の方も行きました。素敵ですよね。これからもちょくちょくお伺いします。

投稿: KJ | 2005.12.15 13:29

ウィキペディアは以前から内容はあまり信用していませんでした。「誰でも書ける」以上、誤りがあるのは宿命かなと思います。やはりどんな情報でも複数のソースを使用して調べないといけませんね。ただ、ネットの普及で複数の人が同じことを言っていても単にソースが同じだからで実は全部間違っていたりすることもあり、個人の情報収集及び取捨選択能力がより問われる世の中になったと感じています。

投稿: ふらんす | 2005.12.15 19:18

市絛 三紗さん、今日は。

わたくしはウィキピディアに記事を三つ程投稿したことがあります。その上で言うのですが、やはりあれは飽くまでも参考程度に留めるべきでしょうね。どこの誰が書いたのかわからないものなのですから。ウィキピディアの記事を足掛かりにして、自分で調べるようにすれば好いのだと思います。

投稿: M@s@sumi alias Tristan | 2005.12.15 19:20

図書館の百科事典などでも調べますが、内容が古いので、もどかしいし、ネットは便利なのですが・・・

こつこつ文献をあたるしかないですね。

投稿: 市絛 三紗 | 2005.12.16 23:19

こんにちは。ご無沙汰しております。社会分析~です。

ウィキペディア関連の記事を書いたのでトラックバックさせていただいたのですが,当方の不具合で2度送られてしまいました。1つを削除お願いしておきます。お手数かけてすみません。

ウィキペディア,いまいちなんですよね。やはり。

投稿: Guy | 2005.12.17 17:17

Guyさん。こんにちは。

自分で投稿したことがないので、訂正されることはわかっていても削除されることは知りませんでした。知らない人名や地名を探すのは便利なので、注意して使うようにします。

投稿: 市絛 三紗 | 2005.12.17 19:20

こんにちは、始めまして、太宰由紀夫といいます。私はしばらく前まで、ウィキの記述者の一人でありまして、正直言いまして、記述者の中には素晴らしい人も居ますが、中には書き込もうとする本も持たずに、書き込もうとしている人がいるのが事実です。或る程度議論してみてわかりました。一般論ばかりで、全く書こうとしている項目の内容を知らないのです。そんな人が平気で書いている現状がある以上、物を書くのを仕事になされている方は注意が必要です。
平均年齢が低いのも感じました。もしくは精神年齢が低いだけなのかもしれませんが、意見の異なる他者を丁重に扱う。またなかには、明らさまに排斥に掛かる人も居ます。これも事実です。
かてて加えて、忌まわしきことに、ニチャンネラーと思しき、ネトウヨもいるのも事実です。明らさまに嫌韓を口にします。正直彼らの言葉は唖然とするばかりです。人を思いやる最低限のマナーも無い人も要るので、それを内部告発します。

投稿: 太宰由紀夫 | 2006.04.25 03:49

こんばんは

私はこれからもウィキペディアを使用しますが、知っていることの確認、あるいは検索のきっかけにしたいと思います。

例えば知らない名前を検索する場合、どこの国のいつの時代の人かわかるだけでも助かります。ラテン語名だけでは雲をつかむようなものですからね。

投稿: 市絛 三紗 | 2006.04.25 04:28

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