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2006.01.28

トリスタンと白い手のイズーが暮らした城

t_y   この週末、Carhaixカレという町に行くはずだった。ところが昨日電話があって、気温が下がって雪になりそうだから会議を3月に延期するということだった。この予報どおり、土曜の朝から雪が降っている。細かなパウダー状の雪が数センチ積もった。

  違うことをネットで調べていて、驚くような情報を見つけた。トリスタンと白い手のイズーが暮らした城はカレにあったというものだ。この町、本のフェスティバルで訪ねたことがある。そして車のバッテリー交換もした。でもそれだけで、町を歩いてはいないのだ。

  私はずっと、トリスタンが暮らしていたのはパンマルク岬のエクミュール灯台のあるところ付近の高台だったのだと考えていた。それでその灯台は2度訪ねた。「ここでトリスタンの命がつきたのだ」と感慨にふけったものだ。だがカレというのはブルターニュの内陸部にあるので、これまで全く考えたことがなかった。

  あわててトリスタン・イズー物語(Joseph Bédier)を取り出して読んでみると「トリスタンはカルエーをさして駒を駆った」と確かに書いてある。信仰と愛と    フランス中世文学集 1の記述「カレの聖トレムール」にも「ブルターニュのカレ」と注釈があるではないか。

    手元にあるfolio classique(André Mary)にもCarahès(Carhaix)という説明があった。すっかり細部を見落としてしまっているのだが、このことを調べた日本語の記述はまだ読んだ事がない。きっと誰かが調べているだろうが。ご存知の方はお知らせください。

  興奮してじっとしていられないので今すぐにもカレに行きたいところだが、午前11時の気温はマイナス4度。今年一番の冷え込みなので、週末はじっと家にいたほうがよさそうだ。日本に帰国してからこんなことを見つけたらくやしくて夜も眠れないところだが、ここはブルターニュ。自分の目で確認に行けるとは幸せだ。2月中旬に近くまで行く用事もあるし、それまでにもっとよく調べてから行くことにしよう。

  日本で手にはいるそのほかのトリスタンとイズー物語   トリスタン・イズー物語 説明はここから
  Tristan Et Iseult     Tristan and Iseult

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コメント

今晩は、

この物語が大好きで、ベディエとトーマの両方日本語版でもっています。
べディエ編(佐藤輝夫訳・岩波文庫)のを、読み返したところ、「カルエー」と書いてありました。MMMM、全然 分かりませんでした。
少し、風と雨が治まったら私も行ってみます。
たまには、中世に思いを馳せるのも良いですね。
貴重な情報有難うございます。
 

投稿: Emma.F | 2006.01.29 05:02

こんばんは

「カルエー」には城壁があって城があってトリスタンはずっとイズーと一緒にここで暮らしています。最後は「ペルマンシュの岸辺」なんですけれどね。やはり。

思い込みというのは怖いものです。今日雪が降らないとまだ気づいていませんでした。はやくカレに行きたいです。先に行ったら教えてくださいね。

ブログにはあまり書いていないのですが、私は日々古代から中世をさまよっていて、ごくたまに、現実世界に戻ってきます。

投稿: 市絛 三紗 | 2006.01.29 05:36

今晩は、
火曜日にchateaulinへ行く用事があり、Carhaix -(ploguer)にも行こうと思っています。
 今から 楽しみですが、天候しだいですね。私のいる町は雪が少ないので、助かります。代わりに風が強くてよく 枝が飛んできたり、木が倒れたりします。以前 家の前の樫の木が倒れ、二日間どこへも行けませんでした。

投稿: Emma.F | 2006.01.30 04:42

雪は1日だけで、もう解けてしまいました。こちらは風は全くふいていませんよ。

投稿: 市絛 三紗 | 2006.01.30 14:52

今晩は、昨日、天気が良かったので、午後からCARHAIXに行ってきました。tristan et iseut伝説の資料がありました。
観光案内所の二階が特設場になっていて絵や説明書などを、見学しました。
 案内所の方から、tristan伝説や町の教会の彫像にまつわる話、聖杯伝説を 伺いました。
肝心のお城は ANPEがあるところにたっていたらしいのですが、壊されてしまってないということでした。この町に城は二つ あるけれど図書館になっていたり、娯楽場になっているので、歴史に興味のある人は面白くないだろうということです。
また Les mémoires du Kreiz-Breizh
という協会が町にあり、そこでいろいろこの地域の伝説、歴史がもっと詳しく聞けるのいってみたらどうかと教えていただきました。
連絡先です。ご参考ください。
Les mémoires du Kreiz-Breizh
Centre d'animation du patrimoine en Centre -Bretagne
Rue du Docteur Menguy-Carhaix
Tel:0298993814
Mail:contact@kreizbreizh@org

町の中は とにかく一方通行と右側優先が多いのには閉口しました。おまけに運悪く、学生たちのデモ行進にあいLes mémoires du Kreiz-Breizhへ行く道をふさがれてしまい、
HUEL GOATへも行きたかったので、今回は断念しました。私のブログに三枚写真を 添付しましたので、よろしければご覧ください。
写真を数枚撮ったので、お見せしたいのですが、どうしたらいいでしょうか。
おかげで、とても有意義な一日でした。


投稿: Emma.F | 2006.02.02 04:01

Emma.F さん。

くわしい説明ありがとうございました。城はもうないことはわかっていたのですが、そんなことを言っていたらエクミュール灯台と海しかないわけですからね。

ぜひカレを探索に行きたいです。教えてもらった協会に連絡してみます。もしよければ、プロフィールからメールで連絡下さい。

投稿: 市絛 三紗 | 2006.02.02 04:48

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