« レンヌで学生が大学閉鎖 その11 続営業中のデパートが襲われた | トップページ | 暮らしたい都市・レンヌの現状  »

2006.03.29

レンヌ・催涙弾の雨が降る

Cpe1
  今日は雨が降ったりやんだり、変な天気だった。午前中CPE(初期雇用契約)に反対するデモに参加した人たちもたたきつけるような雨の中、時々雨宿りしつつ歩みを進めていた。いつもは高校生や学生が中心なのだが、今日は会社員や定年退職者もデモに加わったので参加者も多くレンヌだけでも30000人以上ということだった。

    日本人の友人と、「このメンバーなら学生が暴走するのを止めてくれるかもしれないね」と話した。ずっと付いて歩いたわけでないので詳しいことはわからないが、テレビ局のカメラマンに聞いたところでは、一部のデモ隊が国鉄レンヌ駅を占拠。それでも大した被害なしにデモは終了したようだ。問題は解散後である。いつものように暴徒化した若者達が店舗のガラスを割ったりして5時ころからCRS(共和国機動隊)とブルターニュ広場でにらみ合いを続けたようだ。すでにここでも催涙弾が使用されている。
Cpe3
  私は用事をすませ5時半ごろ家に帰った。そのすぐ後、市役所前広場が騒がしくなってきたと思うと、機動隊が隊列を組んで走ってきた。あわててカメラを持って外に跳び出る。それから午後8時くらいまで学生たちは旧高等法院の広場で引いてはうち寄せる波のごとく、CRSを挑発する。手出しできないことを承知しているので、わざと近寄りカメラを向けたり、空き瓶や石(15センチ角くらいある道の敷石をはぎとって)を投げつけて相手の出方を伺い、CRSが走り出し催涙弾を発射すると距離を置くといったことが繰り返される。

  塀の上に上ったり、先回りしながら写真を撮ることに専念したので、幾度となく催涙弾を1メートルくらいの至近距離で吸い込んだ。2枚目の写真を撮ったときはちょうど塀の上にいた。周りにいた若者たちは一目散に逃げたのだが、私はそのままずっとシャッターを切っていた。階段を登ってきたCRSは私の真横で隊列を組んで止まった。これでは一緒に若者に石を投げつけられるかもしれないと覚悟を決め、いざという時クッションがわりになるようにとコートのフードを頭に被った。「大丈夫か。そこでじっとしていろよ」と隊員のひとりに肩を叩かれたので「大丈夫」と答え、そのまま写真を撮り続けた。すぐ側にテレビ局のカメラマンもいたので、怪我をしたら全国放送されたかもしれないが、幸いにもピンピンしている。
Cpe4
  学校の先生、企業の社長、ジャーナリストなど、いろんな人に話を聞いた。レンヌでデモに便乗して暴れるLes Casseurs(破壊を行う者、挑発者)と呼ばれる若者のほとんどが、レンヌとそのまわり50キロくらいに住む若者達だそうだ。(数人はマルセイユやパリから来ているという)。警官やCRSはブルターニュじゅうからレンヌに応援に来ているのだそうだ。その費用だけでも膨大なものだ。

  Les Casseursの幾人かと話したのだが「俺たちがはじめたわけじゃない。政府が頑なだから悪いんだ。マスコミは覆面をして顔を隠しているとか言っているが、そうじゃない。催涙弾を防ごうとしているだけで、こそこそしているわけではない。最後までとことんやる」と言うのだ。

  その言葉どおり、あちこちで火が上がり消防車もやってくる。催涙弾が雨のように降り注ぎ、かすみがかかったようになる。煙にむせて咳きがでる。涙は出なかったが、あまりに長時間現場にいたのでとても気分が悪い。日本でいたらこんなこと知らずにすんだことだろう。残念ながらこの騒ぎ、いったいいつまで続くのか検討もつかない。
  
  暮らしたい都市・レンヌの現状に続く 

|

« レンヌで学生が大学閉鎖 その11 続営業中のデパートが襲われた | トップページ | 暮らしたい都市・レンヌの現状  »

コメント

こんにちは。

どんなフランスの新聞よりも迫力のある渾身のレポートですね。
でも、気をつけてくださいよ。。。
一日経って、少し気分は良くなられましたか?

昨日は、TF2の8時のニュースで、ガラスを割っている若者とそれを制止する若者の一団の映像を見ましたが、写真を見るともっと激しいことになってますね。

今はもうテント村は消えたのでしょうか?

投稿: ウォンバット | 2006.03.29 20:41

こんにちは

身体のダメージは予想よりひどいですね。まだ気分はよくないです。ガスって内臓にしみるのかな?ご飯がおいしくないし、喉もやられています。まあ。そのうちよくなるでしょうが。

テント、増えてますよ。

投稿: 市絛 三紗 | 2006.03.30 01:26

あれまぁ。
肺から吸収されて、全身に回るのでは?
多分、水をいっぱい飲んで、どんどん体外に排出すると良いと思います。
いずれにしても、お大事に。

テント、増えているんですか…。
いつまで続ける気だ?
あんなとこに定着されたらスラムになりかねん。

投稿: ウォンバット | 2006.03.30 05:26

今日の夜はイラン人ジャーナリストを囲んでイランの話を聞きました。生まれてはじめてイラン料理を食べましたがどれもおいしかったです。

投稿: 市絛 三紗 | 2006.03.30 07:16

おお、それは希有な体験をされましたね。
食事も美味しく召し上がれるようになったとのことで、良かったです。

さて、今朝は少数ですが学生達が旧市街を包囲して、Hotel Dieuの辺(Sevigne通りの起点の5叉路のとこ)で市内への道路を封鎖しておりました。
おかげで、10番のバスはほぼ不通で、再び歩いて出勤することに。

一部強行突破している車両もあるようで、バスもごく希に成功するようですが、いい加減にしてほしいです。

ワタクシもだんだん怒ってきました。
彼らは怒りの矛先を間違えてないか?やるならパリに行って抗議してほしいものだ。
地元民や地元政府を困らせたところで、エリート官僚首相は別に何とも思わないでしょう。

投稿: ウォンバット | 2006.03.30 18:06

イラン料理にはバラのエッセンスがたくさんはいっていましたよ!

そうですね。道路封鎖。早起きして、通勤する時間帯をねらってやると言っていました。彼らは昼ねでもすればいいのですが、会社員が道路封鎖のせいで仕事にいけなくて欠勤扱いにされたらたまりませんね。

投稿: 市絛 三紗 | 2006.03.30 18:19

バラですかぁ。ちょっと想像が付きません。

どこからそんな早起きしてまでやる元気が湧いてくるんだろう。。。

今朝の朝刊にも携帯やSMSで連絡を取り合ってやっていると書かれていたのですが、ココまでくるとゲリラかテロリストに近いですね。

大人が子供を社会的に甘やかしたツケのような気がします。
今日、10番のバスが立ち往生したので、仕方なく降りて歩いてきたチュニジア人の学生さんとたまたま一緒に徒歩出勤したのですが、どうして警察は脇で見張っているだけで、公道を封鎖しているやつらを取り締まらないんだ?と首をかしげていました。

今日もまた11:00からデモだとか。
プロジェクトで夕食に行くことになっているのですが、どうなることか。

投稿: ウォンバット | 2006.03.30 18:32

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/17948/9307880

この記事へのトラックバック一覧です: レンヌ・催涙弾の雨が降る:

« レンヌで学生が大学閉鎖 その11 続営業中のデパートが襲われた | トップページ | 暮らしたい都市・レンヌの現状  »