岸恵子さんが案内するとっておきフランス旅
ブルターニュに住む日本人の友人から一冊の本を借りました。岸恵子さんのフォト・エッセイ集、私のパリ 私のフランスです。
昨年12月に発売された本で、テレビ朝日が今年の正月に放送した「岸恵子さんが案内するとっておきフランス旅」に関する秘話がふんだんに盛り込まれています。私は放送を見ていないのですが、放送終了後日本の友人がすぐに内容を伝えてくれていました。パリの風景に加えて、ブルターニュ関連ではモン・サン・ミッシェル、グラニット・ローズ海岸、サン・ギレッグ、クレープリー、ダンス・ブルトンなどの映像があったそうです。
番組の中で紹介されていたla Côte de Granit Roseグラニット・ローズ海岸にはペロス・ギレックの海に書いたように赤みがかった花崗岩の巨石が海岸を埋め尽くしている独特の美しい海岸線があります。ここで、岸恵子さんが俳優の岡本建一さんと一緒に訪れたのがSt-Guirecサン・ギレッグの祠です。干潮の時は歩いて行けますが、満潮になると海の中に浮かぶようにたたずんでいます。
「恋が成就することを願いながらこの聖人の鼻に針を刺すと結婚できる」という言い伝えを実践したために、聖人の顔は穴だらけになっています。日本の「針刺し地蔵」と同じですね。はたして乙女たちの祈りは叶ったのでしょうか?
この本にはジャン・コクトオ最後の演出の舞台「濡れ衣の妻」に出演したこと、そして楽屋を訪れた三島由紀夫さんが「演出も演技も素晴らしい」と絶賛したことが書かれています。この舞台を見た日本人はほんの数人だったそうですから、不思議な巡り会わせです。彼はフランス文学に関する文章も残しています。三島由紀夫のフランス文学講座。そしてご本人いわく「スペイン植民地風の家」の美しい洋館に住んでいました。三島由紀夫の家
。
笑顔がまぶしいほど輝いている岸恵子さんの何と若々しいことでしょう。ちょうど水辺ではヤナギの木がみずみずしい若葉をつけはじめています。一見折れそうに見えるかぼそいヤナギの枝がしなやかに強風をかわしてゆく、そんな風景と重なって見えました。(フランスではヤナギは美しいものの象徴なんです。フランス人は恋人たちの木と考えているようです。日本はヤナギの下に幽霊がいるのですからちょっと違いますね)。
*エッフェル氏のお屋敷にも関連記事があります。
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コメント
岸 恵子さんの本は何冊か読みましたが、人生の苦い部分を噛み締めながらも、
バシッと、それを片手で制して、
他人様には大輪の花の笑顔を向ける様な、心意気を持った方だな、と感じました。
美しさに深みを持った方。
パリの写真の恵子さんは、パリの生活者の味が出ていて、
ブルターニュの写真では、他所から見えた方、って、はっきり見えてる感じがします。
写真って、撮られる方の、その場への
<はまり度>まで写し出すもんなんですね。
投稿: taiko | 2006.04.23 15:43
taikoさん。こんにちは。
>人生の苦い部分を噛み締めながらも、バシッと、それを片手で制して他人様には大輪の花の笑顔を向ける様な、心意気を持った方
素敵な言い回しですね。岸恵子さんの所作を見習わないと・・・
>ブルターニュの写真では、他所から見えた方
そうですね。お土産を買って、パリに帰ろうとしてますものね。<はまり度>まで写すとは考えたことがなかったのですが、たしかにそうです。「顔がすべてを物語る!」。
投稿: 市絛 三紗 | 2006.04.23 16:25
今日お会いしましたよ。明日からパリですって!
相変わらずお綺麗でしたよ。
年をとると人間は顔も雰囲気もそれまでの生き方が出ますよね、男女に関わらず。
投稿: あさこ | 2006.09.02 16:35
あさこさん。こんにちは。
充実した毎日をおくっている人は顔が輝いています。岸さんにとってはきっと「パリに戻る」という感覚なのでしょうね。
投稿: 市絛 三紗 | 2006.09.02 17:11