「踊る猫通り」と「釣りをする猫通り」
語学学習応援サイトGlobalvoiceのフランス語コラム「行き先を示す」を読んでいるとこんな文章がありました。「パリの街は東京に比べるとずいぶんと合理的にできています。まず、通りの名前は人の名前になっており、同じ名前は同じ街にはありません」。そうねえと思いながら読んでいたのですが、何かが奥歯の間にはさまっている感じがしました。重要なフランス語の単語は覚えられなくても、ささいなどうでもいいようなことは記憶の片隅に残っているのです。
しばらくたってから急にひらめきました。人の名前ではなく動物の名前のついた通りがあることを。Rue du Chat Qui Danse「踊る猫通り」です。これは実在する通りの名前でブルターニュの観光地、Saint Maloサン・マロにあるのです。What’s Michael?
の画像とセットで浮かんできました。「踊る猫通り」が信じられないという方のために証拠写真もどうぞ。(こんな写真を公開する日がくるとは思いませんでしたが、猫が好きなので撮っておきました)。
この名前には由来がちゃんとあるのです。17-18世紀にかけてイギリスとフランスが争そっていたころ。爆薬を満載した船がサン・マロを攻撃しようと接近してきました。でもここは潮の満ち干が大きく、船が座礁してしまったのです。一匹の猫が壁めがけて飛びついたのですが、命を落としてしまいました。この猫のことが語り継がれて通りの名前として残っているそうです。(この話はネットで探しましたので、こんど観光案内所で聞いてみます)。
Parisパリにも猫通りがあります。Rue du Chat qui pêche「釣りをする猫通り」です。パリ5区、セーヌ川で釣りをしているわけですね。パリで一番狭い通りだそうですよ。le sentier小道という定義ではもっと狭いle sentier des Merisiersがありますが。
La rue du Chat qui pêche (Paris 5e) est la rue la plus étroite, avec une largeur minimale de 1,80 m (certaines sources mentionnent le sentier des Merisiers, dans le 12e, qui mesure moins d'1 m).
Les plus étroites : sentier des Merisiers (XIIe) 0,87 m, rue du Chat-qui-Pêche 1,80 à 7 m, passage de la Duée 0,80 m.QUID 2003
rue du Chat qui pêche ちゃんとここで通りの写真が見られます。
追加情報 2006 06 22
サン・マロの人と話をしました。時代は18世紀。船は座礁したのですが乗組員は全員助かりました。猫だけが犠牲になったと言い伝えられているそうです。
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コメント
7月、ブルターニュに行きます。
海外にはほとんど行ったことがなかった私が、フランスのそれもブルターニュに行くことになるなんて、信じられないくらい。
2週間たっぷりとフランスの風を感じてきます。
いつも美しい文章と写真に魅せられています。
こちらはホタルの季節も終わりです。
もう飛べぬホタル地上の星となる
投稿: jyunko | 2006.06.04 10:47
こんにちは
縁というのは不思議なものです。私も海外で暮らというのは夢で終わると思っていました。
とても美しい季節ですので、楽しんでくださいね。朝夕は気温が下がりますから、セーターも持参したほうがいいでしょう。
投稿: 市絛 三紗 | 2006.06.04 19:33