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2006.07.20

ジダンの頭突きがまき起こした波紋

  ワールドカップサッカー最終戦はイタリアの優勝で幕を閉じた。1次リーグ敗退かと心配されたフランスチームが最後まで勝ち残る、フランスにとっては最高のお膳立て。残念ながらスペインにいた私はこの試合を見ていない。車の中で、スペイン語のラジオ放送を聞いていた。途中でジダンが退場と聞いたが、何がどうなっているのか、さっぱりわからなかった。

  あとでこの問題のシーンを見た。 Coup de tête de zidaneこれが試合の実況中継である。

  ジダンはフランスのみならず、世界でも有数の名選手だ。サッカーに対しては厳しいが普段の顔は穏やか。慈善活動にも時間をさいている。優勝決定戦でしかも自らの現役最後の試合で頭突きをして退場したのだから、その原因についていろいろな憶測が流れた。

  ジダンは口をつぐんでいたが、フランスのテレビ放送Canal plusに出演しZidane l'interview - CANALPLUS.FR独占インタビューで心境を淡々と語った。毎試合Merciありがとうと書かれたアンダーシャツを身につけていたこと。「子供たちやファンには自分の行為をあやまりたいが、最後の試合で理由もなくあんなことができるはずがない」と許しがたい挑発の言葉があったことを示唆した。そして「後悔はしていない」とはっきり言い切った

  イタリア代表DFマテラッツィがジダン本人に対して暴言をはいたとしても、きっとジダンはそのまま聞き流しただろう。8年目にようやくつかんだ優勝のチャンス。そして選手としてプレーする最後の試合であることを誰よりもよくわかっているのだから。だがそれは母親や姉妹に対する侮辱であった。ジダンはイタリアでプレーしていたので、イタリア人選手はみんな知っている。「これまでの遺恨が積み重なったものか」という質問に対しては「全くない」と否定している。

7月18日の朝日新聞社説ジダン退場 差別にもレッドカードをを読んだ。

人々はサッカー選手に聖人君子を求めはしない。しかし、肉体と意志を鍛え上げた一流プレーヤーなら、困難な問題に立ち向かい、誤りを正すこともいとわないはずだ。そんな期待は大きい。
 ジダン選手にも注文がある。暴力については反省の言葉を口にしている。ならば、MVPにふさわしいのか、自らに問い直してもらいたい。

  フランス代表DFチュラムは「ピッチ上はまずい。彼も間違いを犯したことは分かっている」と指摘した。試合後にジダンと話したというチュラムは「彼自身、はめられたことを理解している」と述べた。一方でマテラッツィを「彼のような選手は吐き気がする。サッカーのイメージを悪くする」と非難した。AP共同

  W杯ファンを狙うトロイの木馬まであらわれた。CNET News.comによると、2006 FIFA World Cupの公式サイトを装う偽サイトだそうだ。この偽サイトは、ジダン選手が決勝の対イタリア戦で起こした頭突き問題をトップニュースとして扱い、「(頭突きを受けた)マテラッツィ選手はジダン選手に一体何と言ったのか?」と訪問者に疑問を投げかける内容になっている。

  ジダンの行為はほめられたものではない。だが人を傷つけるのは刃物だけではない。誰かの言葉がするどい刃となって消えない傷をつけることも事実である。自分の名声を損ねても守りぬきたかったもの。それは家族だった。この騒ぎで私のジダンへの信頼がかわることはない。

  ここであなたに聞いてみたい。あなたにとって自分より大切なものとは何ですか?

  ちょうどZIDANE : ジダン 神が愛した男Zidane, un portrait du XXIème siècleが日本で公開になった。内容はつづきでどうぞ。


  

Zidane_un_portrait_du_xxie_siecle_1  2005年4月23日に開催されたスペインリーグ、レアル・マドリッド対ビジャレアルの試合を、サッカー界のスーパースター、ジネディーヌ・ジダンのピッチ上の視点そのままに、ヨーロッパで初めて使用される高解像度カメラを含む15台のカメラで撮影。そのゲームの一部始終、ベッカムやロナウドらチームメイトとのやりとりをハリウッドのトップサウンドエンジニアによる臨場感溢れるサウンドと迫力の未体験映像で魅せる。現代美術の優れた作家に贈られるターナー賞を受賞したスコットランド人アーティスト、ダグラス・ゴードンとフランス人アーティスト、フィリップ・パレーノの共同監督による、スポーツドキュメンタリーとコンセプチュアルアートを融合させたかつてない“スーパー・ドキュメンタリー”。

 監督:ダグラス・ゴードン、フィリップ・パレーノ
 出演:ジネディーヌ・ジダン、デビッド・ベッカム、ロナウド・ルイス・ナザリ、オ・ジ・リマ
 配給:シネカノン 2006年7月15日よりシネカノン有楽町にて緊急ロードショー


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コメント

サッカーに身命を賭してきたのにもかかわらず、最後の試合で 彼がした行為から
退場を余技なくさせられた彼に同情はしないが、彼のした行動に共感はできますね。
ただジダンのMVP剥奪を彼自身に要求するならなぜイタリアの優勝も問題にはしないのか疑問に思います。

投稿: EMMA.F | 2006.07.20 07:18

こんにちは

ワールドカップは4年に1度だけ。どのチームも勝つために必死です。

ジダンが温厚な優しい性格であることは誰もが認めていることです。インタビューの顔が普段の彼です。そのジダンがまさかという場面で怒りをおさえられなかった。

それだけのことを言われたと考えて当然でしょう。MVP投票は試合の前にすんでいたから選ばれてしまったなどとささやかれていますが、それほどたくさんの人が彼のプレー、人格を評価しているのです。

どう考えてもマテラッツィの方が不利ですよ。

投稿: 市絛 三紗 | 2006.07.20 19:23

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» ジダン [ガーター亭別館 ]
一夜明けて、今大会のジダンについて振り返り、決勝で起きたことについて考えをまとめ [続きを読む]

受信: 2006.07.21 09:15

» 『ZIDANE〜ジダン 神が愛した男』 [Mon plaisir ☆ ]
公開したばかりのこの映画、観て来ました。 “頭突き”効果(と言われている)で、映画館はかなり混雑していました{/ase/} というのも、ジダンがレッドカードをもらい、ピッチを去る後ろ姿で終わる結末が、ドイツW杯決勝と似ていると話題になっているので、サッカーファンならずともやっぱり観てみたいという感じなのでしょうか。 最近、ジダンの頭突きを真似して作られたビデオがネットで出回ったり、頭突きで相手を倒していくゲームまで�... [続きを読む]

受信: 2006.07.30 01:36

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