イラン大統領のブログと前大統領の来日
世界的に大流行しているブログ。だがこのブログは特別な反響を呼んでいる。それは核問題で注目をあつめているイランのアフマディネジャード大統領のブログだからだ。ペルシャ語がアラビア語、英語に翻訳されている。フランス語の表示もあるのだがまだ翻訳されてはいない。
Do you think that the US and Israeli intention and goal by attacking Lebanon is pulling the trigger for another word war?
左側には「レバノンに攻撃を仕掛けたアメリカやイスラエルは新たな世界大戦を引き起こそうとしていると思うか」という問いが投げかけられている。その結果はYes:366527(42%),No:509650(58%)であった。ブログには大統領が貧しい農家で生まれたことや家族のこと、若いときの思い出などが書かれている。
一見短い文章と思ったが、続きを開くと長文があらわれた。「多くの殉教者たちの自己犠牲のうえに信じられない成果を成し遂げた」と革命をたたえる内容。もちろん私は英語しかわからないが、Godという単語が最初と最後に出てくるのが普段目にするブログとは異なっている。
折りしも小泉首相は24日、首相官邸でハタミ前イラン大統領と会談したばかりである。
ハタミ氏はイランの核開発問題が国連安保理に付託されたことを「望ましくないプロセスだ」と指摘し、「安保理で採り上げられれば国内の過激主義が高まりかねない」と懸念を表明。 朝日新聞
イランの最高指導者ハメネイ師は21日、「核計画を力強く推進することを決定した」と述べている。イランに対する経済制裁が実施されれば、中東に波乱をまねくおそれもある。
数年前まではイランは私にとっても遠い国でしかなかった。だがレンヌで10人以上のイラン人と話をした。数ヶ月前にはジャーナリストクラブでイラン人の女性ジャーナリストを招いての懇親会があった。数年間イランに駐在していたAFPの記者がイランの歴史について解説し、レンヌに住むイラン人がつくってくれたたくさんの料理を食べた。
イランは薔薇の栽培が有名で、料理にもデザートにもふんだんに薔薇のエッセンスがはいっていた。これらを食べながら私は古代オリエント文明のことやアラビアン・ナイトの世界を思いおこしていた。なかなかこのような催しはないのでこの夜は午後7時くらいから真夜中まで質問が飛び交った。帰り際女性ジャーナリストは「イランに来ることがあれば遠慮せずに連絡して」と住所を書いてわたしてくれた。
それから映画監督が作ったイラン・イラク戦争がテーマのテレビ映画も見た。それからはイランのニュースを聞く度にひとりひとりの顔が鮮明に浮かんでくる。経済制裁が開始されれば住民の暮らしはどうなるのだろうと考えずにはいられない。
普段は意識しないが、日本はイランから大量の原油を輸入している。(サウジアラビア26・2%、UAE(アラブ首長国連邦)25.0%、イラン15.0%、カタール9.0%)。イランの情勢に注意をむける必要がある。
資料
わが国の石油輸入事情 石油情報センター
| 固定リンク
「経済・政治・国際」カテゴリの記事
- Le forum économique des banlieues : "Osons la Banlieue" 若者の経済フォーラム(2016.01.09)
- Quand on a que l'amour 愛しかない時(2015.11.27)
- Une fusillade à Saint-Denis サン・ドニでの銃撃戦(2015.11.18)
- L'état d'urgence 国家非常事態(2015.11.14)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント