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2006.08.06

戦闘で引き裂かれる家族たち

  イスラエル軍がレバノン攻撃を開始したのは7月12日。その後戦闘が激化しているがやっと国連安全保障理事会の決議案が合意となった。

 米国とフランスは5日、イスラエルとレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラの戦闘激化で危機に陥っているレバノン情勢の打開に向け、双方に「敵対行為の全面停止」を求める国連安全保障理事会の決議案について合意した。

  安保理は同日午後(日本時間6日早朝)、緊急の非公式協議を開き、米仏の決議案について討議、早期採択を目指す。中露から大きな異論が出なければ、決議は数日中に採択される見通し。イスラエルとヒズボラがこれに従い、戦闘を即時停止するかどうかが最大の焦点となる。 読売新聞

  レンヌにはアラビア語を勉強している日本人女性がいる。彼女は昨年もシリアに夏季講習に行っていた。この夏は中近東諸国を旅行するつもりだと聞いたので、一緒に行きたいと伝えてあった。ひとりではとても行けないだろうし、アラビア語がしゃべれるというのは何よりも心強いからだ。当初の予定では9月にシリアやヨルダン、レバノンにも行こうと話しあっていた。
Map  シリア人の友人は「うちに泊まって」と言ってくれていた。だがレバノン攻撃がはじまってから観光どころではなくなった。スペインから帰って連絡すると「叔母がレバノンに住んでいるのにまだ連絡できない。怪我していないかとても心配。フランスはサッカーで浮かれていて私たちの事なんか忘れていた」と悲しそうにしていた。

  さきほどレバノン在住のジャーナリスト安武塔馬さんのメルマガが届いた。ちょうど日本出張中に戦闘となりレバノン人の奥さんと3歳と1歳、二人の子供の待つ国になかなか帰国できないその様子が綴られていた。「レバノンに戻れず、家族に万が一のことがあったら、悔やんでも悔やみきれない」という思い。読んでいても苦しくなった。

  いったいどれほどの家族が眠れぬ夜を過ごしていることだろう。安武さんは家族と無事再会できたが、もう二度と家族と会えない人たちもいる。日本人にとって紛争など遠い国の関係ない話だろう。ヨーロッパは中近東やアフリカと近いだけに仕事で観光で常に行き来がある。それだけに無関心ではいられない。国際情勢に振り回されて犠牲となるのは一般の住民なのだ。

  一日でも早く停戦になってほしい。そう願わずにはいられない。

  ベイルート通信 中東情勢を伝えるホームページ
  安武さんのメルマガはJapan Mail Mediaのサイト上で最新版だけ閲覧可能だ。(これを投稿する時点ではまだ掲載されていない)。

       追加情報

  もうひとつ購読しているメルマガが届いた。「ロシア政治経済ジャーナル」である。こちらはモスクワに住む北野幸伯さんが書いている。今日の内容は「中東戦争勃発!すべての紛争はイランに通ず2」というタイトル。バックナンバーも読めるようになっている。北野さんの著書:ボロボロになった覇権国家

  内容についての是非は私には判断しかねる。だがいずれにせよ中東には石油という強みがある。その利権をめぐって熾烈な駆け引きが行われているのは確かだろう。庶民にとっては政治のことなどまるで雲をつかむような話だ。ある日突然爆弾が降ってきて、家を出て行かなければならない。そんな悲しい現実があるだけである。
  

【エルサレム5日共同】イスラエル軍は5日、レバノン第3の都市、南部サイダを空爆するため、全市民に退去を要求した。イスラエル紙ハーレツ(電子版)は空爆を開始したと伝えたが、同国軍報道官はこの報道を否定した。同軍報道官は4-5日の36時間で、レバノン全土で約160回の空爆を実施、イスラエルをロケット弾で攻撃するイスラム教シーア派民兵組織ヒズボラに対する軍事作戦が激しさを増している。同軍はサイダ空爆を前に、市民に危険を知らせるビラをまいた。同市の人口は約15万人。レバノン警察当局者は5日、欧州メディアに対し、イスラエル軍の空爆や砲撃は「今日が最悪だ」と述べた。 8月5日 共同通信

  

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コメント

こちらこそお久しぶりです。
イスラエル問題、目が話せませんね。
ルーマニアにもイスラエルコミュニティーは多く
*東欧に多い、私も親しいイスラエル人友達がおり
家族が非難してきています・・
登録されているメルマガ どちらのメルマガか
お尋ねしてもよろしいですしょうか、
とても興味あります。*明日からしかもロシア
なので今東欧・旧ソ連の本を読みあさっています!

★ルーマニアもこ子数日すごしやすいです。
もっとも私のいえはクーラーがあるのですが・・
あまり知られていないルーマニアが
イメージ*写真で伝われば幸いです。

投稿: go2rumania | 2006.08.08 00:31

すみません、メルマガリンクから飛べましたね。
登録して私も勉強したいと思います ;)

投稿: go2rumania | 2006.08.08 00:36

go2rumaniaさん。

ルーマニアの写真、いつも素敵です。レバノンでは子供たちの犠牲が多いのがつらいですね。

「イスラエル軍の攻撃によるレバノン側の死者が925人、行方不明者が75人で計1000人に達したことを明らかにした。死者の大半が一般市民で、約3分の1は13歳未満の子どもたちだったという。ロイター通信が伝えた」

投稿: 市絛 三紗 | 2006.08.08 05:25

いつも面白く拝見してます。以前紹介されていましたCERTIC HARPのCDを送ってもらいました。
ALAN・STIVELL
RENAISSANCE OF THE CELTIC HARP
心に沁みるハープの音色を聞きながら、無数の白いヨットが浮かぶブルターニュの海を思い出しています。

投稿: jyunko | 2006.08.08 11:07

こんにちは

レバノンでは100万人の難民がさまよっています。もう少し海外に目をむけてほしいと思います。

投稿: 市絛 三紗 | 2006.08.09 02:44

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