CHRYSLER 300C
ニース空港のレンタカー乗り場でこの車を見たとき、一瞬身体が固まった。そのあともうすこしで泣きそうになった。何しろ自分がそれから2週間運転しなければならないのだから。
あまりに大きすぎる。日本では2000クラスの車を運転していたが、それどころではなく駐車スペースからはみだしている・・・いったいどこのメーカーなのかもわからなかった。フランスでこれまで見たこともない車だったのだから。
それがCHRYSLER 300C クライスラーだった。約束の時間がおしていてどうしようもないので車に乗り込んだ。車内は真っ白なレザーシートで統一されている。ボタンやスイッチがズラ~~と並んでいるので触ってみるのだが、よくわからない。最後にはレンタカー会社の人に説明してもらい、見切り発車。いきなりニース市内の渋滞でヒヤヒヤしっぱなし。
それからトンネルにはいったが電気のつけ方さえもわからない有様。短いトンネルだったのでそのまま通過。この日だけで1年ほど寿命が縮んだに違いない。いろいろな機能を使いこなせるようになったのは数日後のことだった。
それでも1週間ほどすると運転には慣れてきた。運転はしやすい車だと思うが、車体が大きいので駐車場をさがすのがひと苦労だった。運転中も何しろ目立つのでみんながじっとこちらを見るし、中には話しかけてくる人もいた。「きれいだね」。「ありがとう。私の車じゃないけれど」などと何度答えたかわからない。
ほかの車と対向できない狭い山道もいやというほど走ったが、この車にぶつかっては大変と相手がよけてくれて助かった。最後に何とか事故なくトゥルーズ空港で返却することができ、心底ホッとした。今後クライスラーを運転することはないだろうから、後から考えれば貴重な体験だった。
クライスラー 300C クライスラー オフィシャルサイト
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