ロマネスク教会とパリの美術館

はじめて南仏を訪れたので、忘れがたい風景が数多くある。旅の最後にどうしても行きたい場所があったのでトゥルーズ空港でレンタカーRenault Clioルノー・クリオを借りて、2日間ひとり旅をした。
訪ねたのは3ヶ所、Moissacモワサック、Rocamadourロカマドゥール、Conquesコンクだった。世界遺産St Jacques de compostelle サン・ジャック・ドゥ・コンポステルを目指し巡礼たちが歩みをすすめる順路にある。
RocamadourロカマドゥールとConquesコンクでそれぞれ1泊ずつした。全く予約もせずに飛び込んで、運良く結果的にどちらもこのうえない眺望の宿に泊まることができた。特に後者ではその場で知り合った心優しき巡礼たち8人と夕食を共にし、夜は教会でパイプオルガンの演奏を聞き様々なことを語り合った。
その翌朝、何の気なしにここを訪ねて心惹かれ、ついに15世紀の廃墟を購入したという女性が自分の家の中を案内してくれた。改装6年目だそうだが、あと数年はかかりそうだ。エバという名前の女性は「もし数年後に来る機会があったらまた訪ねてね。私はここにいるから」と静かに微笑んだ。そういう私もこの小さな村から立ち去りがたい想いだった。
日本はわずか数年間留守にしただけでも風景が変わっている。だがフランスではその変化のサイクルが人の一生よりも長いので、まるで何も変わっていないかのような錯覚におちいる。日々の暮らしに一喜一憂していることなど、どうでもいいという気になる。日常の空間から離れ、時間の観念からも解き放たれた不思議なひと時だった。
その後夜行列車でパリに早朝到着。ルーブル美術館のエジプト、フランス中世をのぞいた。それから、Musée de la Mode et du Textileモードとテキスタイル美術館で楽しみにしていたオートクチュールデザイナーBalenciaga Parisバレンシアガの展示を見た。
それは別の意味で素晴らしかったのだが、私が惹かれるフランスは、田舎にある。パリの繁華街やきらびやかなベルサイユ宮殿はたまに行くと楽しいが、魂にひびくのは別の場所だ。フランスはスルメのごとく、かみしめるほど味が増す。
★Conques コンクの旅はこちらから 平常心を取り戻す秘薬 その1 巡りあい
★Rocamadour ロカマドゥールの夕暮れ
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コメント
はじめまして。いつも楽しみに拝見しています。
コンク、モワサック、憧れの地です。
写真・記事UPされるのを楽しみにしています。
投稿: K | 2006.10.25 11:59
kさん。はじめまして。
コンクはぜひ一晩泊まってください。夜のたたずまいがいいのです。モワサックは修道院の回廊、教会の彫刻など、想像以上に美しかったです。
投稿: 市絛 三紗 | 2006.10.25 14:23
はじめまして
初めて拝見させて頂きましたが、
「懐かしい~」と思わず…
ロマネスク美術が好きで、フランス、スペインの
ロマネスク教会を歩いて見て来ました。
モワサック、ロカマドゥール、コンク何所も
素晴しい町でした。
運転免許の無い私は電車、バス、自転車で周ったので
1週間近くかかりました。
思いがけずに、旅の想い出に浸らせてもらいました。
これからも楽しみにしています。
投稿: たんぽぽ | 2006.11.08 23:18
たんぽぽさん。こんにちは。
ブルターニュにも素晴らしいロマネスク教会がいくつかあります。そのうち写真をお見せします。
車がないと行けない場所が多いのですが・・・私も車を購入するまでは途中から徒歩で行っていましたので、不便さはよくわかります。
投稿: 市絛 三紗 | 2006.11.09 00:17