レンヌのクレープリー AR PILLIG
店内に足を踏み入れた瞬間、息をのむ。壁全体に素晴らしい彫刻がほどこされているからだ。おおらかで躍動感あふれる人物像。
森の木々や植物は圧倒的ボリゥームで見るものに迫ってくる。" AR SEIZ BREUR " (les sept frères7人兄弟)というブルターニュの芸術運動で活躍したJorj Rual, R. Y. Creston,Jean Goronという3人のアーティストの作品。制作は1930年である。貴重なものとして、レンヌの文化遺産に指定されているが、柔らかな飴色の木肌が本当に美しい。
彫刻の題材はアーサー王伝説にちなむものもあり、それはメニューにも取り入れられている。例えばガレットLa Lancelot du lac 湖の騎士、ランスロは、白ネギ、スモークしたカモ肉、クリームの組み合わせだ。ランスロはブルターニュにあるコンペル城前の湖で妖精ヴィヴィアーヌに育てられた。湖の底には水晶の城があり、そこで成長したのである。
隣の部屋は趣向が異なり、職業を示すモチーフが彫られている。右の写真はその一部。4枚とも下部にブルターニュの象徴hermineエルミン(おこじょ)があしらわれている。右上の中央はかなづち、下は絵筆だろうかと、職人たちの働く姿を想像しながら眺めてみる。
このような逸話ぬきでも、この店のガレットはおいしい。レンヌに数多くあるクレープリーの中でもベスト3にはいるだろう。写真のガレットはL'Auvernate オーヴェルニュ(フランス中央部の地域名)という品。暖かいヤギのチーズ、クルミ、中央はリンゴの薄切りだ。小鉢にはいっているハチミツを全体にかけて食べる。ハチミツの甘さとクルミの食感が絶妙。値段はサラダがついて9.2ユーロだ。
*AR PILLIG*
10, rue d’Argentré
35000 RENNES
Tél : 02 99 79 53 89
LES SEIZ BREUR Art national breton et art totalitaire 第一次大戦と第二次大戦の間におきたブルターニュの芸術運動
Patrimoine Ar Pilig années 1930
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コメント
お久しぶりです。
年明け、レンヌではお世話になりました。
ここは!お休みで入れなかったお薦めのクレープリーですね。
薄暗い店内の壁を窓から覗き見たのを覚えています。
本当に美味しそう!
食べられなかったのが悔やまれます。
いつかもう一度トライしたいと思います。
チーズに胡桃にハチミツ・・・
最高の組み合わせですね^^
投稿: meg | 2007.05.28 21:26
こんばんは
お世辞ぬきでおいしいと思います。一緒に食べられなくて残念でした。「チーズにハチミツ」の組み合わせ、昨年南仏でよく食べました。
そうそう、日本のクレープリー、Le bretagneのオーナー(フジェールにもお店あり)がパリにもお店をだしたそうですよ。
投稿: 市絛 三紗 | 2007.05.28 21:43