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2007.05.07

サルコジ氏のバカンス

  新大統領に選ばれたサルコジ氏。コンコルド広場で勝利を祝い、その後支持してくれた若い世代をねぎらうため3軒のBoîte de nuit ナイトクラブをはしごしたらしい。そのコンコルド広場からわずか数キロのBastilleバスチーユ広場では若者たちが「サルコジ、ファシスト!」と叫び、共和国機動隊とにらみあっていた。

    そのほか、フランスの各地でも小競り合いがあった。日本のテレビでは「暴動が起こっている」と表現しているが、以下のような都市部では決して目新しいことではない。 

Toulouse トゥルーズ 2500人
Bordeaux ボルドー 2000人
Lyonリヨン 500人
Rennes レンヌ  300人
Nantes ナント 600人
Brest ブレスト 50人

  若者を中心とした小グループがゴミ箱を投げる、火をつける、商店のガラスを割る、車に放火、火炎瓶を投げる、といった行動をおこした。機動隊が追いかけると逃げて場所を移動する。そしてまた空き瓶や石畳の石をはがして投げる。

  一方の機動隊は放水を行ったり、催涙ガス弾を発射する。双方にけが人もでているが、マスコミはこれらの出来事をau jeu du chat et de la souris 「猫とネズミの追いかけっこ」と呼んでいる。例としてRennesレンヌの昨晩の写真をみてほしい。午前3時くらいまでこの騒ぎは続いたようだ。

  名指しで非難されたサルコジ次期大統領はというと数日間の静養で雲隠れ。これくらいの騒動をいちいち気にしていてはフランスの大統領はつとまらない。側近は「たぶんコルシカ島あたりにいるのでは。ゆっくり考える時間が必要」と言うが、これも日本では考えられないことだ。

  日本のマスコミはサルコジ氏がはやくもバカンスを取っていることをどこも報道していないと思うが「休むときは休む」というのがいかにもフランス流だ。

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