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2007.05.08

新大統領決定の夜

  シャンゼリゼ通りのレストランからコンコルド広場に向かう車列を警察の護衛とメディアのオートバイが数十台追走する。「こんな映像は久しぶり」と生中継していたテレビ局France2のコメンテーターもつぶやく。上空からの映像は迫力があった。オートバイの呼びかけに答えて窓を開き応答するNicolas Sarkozy ニコラ・サルコジ氏。そして車を降りて特設ステージに向かう。支援者がお祝いを言うために駆け寄り大変な混雑となっている。

  やっと彼がステージに姿をあらわす。その時コメンテーターの声が上ずった。「セシリアさんですよ。今朝はいなかったのに・・・」。Cécilia Sarkozyセシリア・サルコジとはニコラ・サルコジ氏の奥さんだ。その後ろにはセシリアさんの娘2人(前夫の子供)がいた。 "Mes chers amis, ce soir, c'est la victoire de la France"「友よ。これはフランスの勝利だ」と群集の前で胸をはる夫。ときおりその肩を抱くようなしぐさをみせるセシリア夫人。

  "Je ne vous trahirai pas, je ne vous mentirai pas, je ne vous décevrai pas"「私はあなたたちを裏切らない。うそをつかない。失望させない」という言葉に集まった3万人からひときわ大きな歓声が上がり、拍手が鳴りやまない。サルコジ氏の挨拶に感極まったのか涙ぐむCécilia セシリアさん。二人は再婚どうしで10歳になる息子がひとりいる。サルコジ氏にも前の奥さんとの間に2人の息子がいるが、セシリア夫人は政治活動も裏方としてささえてきた。マスコミにも2人で旅行するところを公開して仲のよさもイメージアップに利用していた。

  ところが、2005年春、スイスのLe MatinやベルギーのLa Libre Belgiqueといったメディアが彼女のスキャンダルをすっぱぬいた。そして数ヵ月後フランスでもParis Matchがセシリアさんと恋人の写真を公表した。相手の男性はRichard Attiasリシャール・アティアス氏。Publicis Eventsという広告会社の社長だ。セシリア夫人はこのとき8歳だった息子を置いてサルコジ氏との愛の巣を飛び出し、リシャール・アティアス氏の元に行ってしまった。この一大事でサルコジ氏はテレビ出演をドタキャンしてしまったほどうろたえていた。サルコジ氏の数々の不倫に耐えかねて出ていったとも報道された。

  その後サルコジ氏とヨットに乗っているセシリア夫人の姿も目撃されているのだが、大統領選挙のさなかにも彼女の姿はなかった。別の恋人ができたという噂もあった。それでも大統領選挙の第一回投票日にはサルコジ氏は奥さんと2人の娘を連れて投票所にやってきた。だがその後またしてもセシリア夫人はいなくなってしまった。

  これまで政治家のプライベートには口を閉ざしてきたフランスのメディアも、4月にはいってようやく重い口を開き、"Monsieur Sarkozy, des rumeurs font état du départ de votre épouse du domicile conjugal. Que pouvez-vous nous en dire ?"「サルコジさん。あなたの奥さんが家を出ていったと噂されています。あなたはどう説明するのでしょう」とおずおずと問いかけた。だがその答えは返ってこなかった。

  そして、夫が大統領に当選したその場に突然ご登場となったわけだ。壇上で流した涙にはいったいどんな意味があったのだろう?恥をかかせた夫に最後の奉仕をしたのか。それとも愛人と別れてもとのさやにおさまるのだろうか。テレビ局のコメンテーターもこれまでの経過からどうにも判断できなかったようで、奥さんについてはいっさいしゃべらなかった。最初のひとこと以外は。

  «Paris Match», Cécilia et les rumeurs Libération  20 avril 2007
  La question qui gêne: «Où est donc passée Cécilia Sarkozy»?
 Le Matin Dimanche 28 avril 2007

  ELECTRIC NEWSにはWhoever wins,No first lady for France「どちらが勝っても、フランスにファーストレディはいない」という記事がある。最後にサルコジ氏は"If I am elected, my wife will play a role."「もし私が選ばれたら、妻はその役目をはたすだろう」とあるが、はたしてそううまくいくだろうか。

    そして昨日、大統領がバカンスに出かけたことを書いたが、その行き先はマルタ島であることがバレてしまった。セシリア夫人と10歳になった息子ルイと一緒にプライベートジェットでバカンスだ。トップ・シ-クレットだったのにThe Times of Maltaがヨットに乗ったことをCelebrating Sarkozy sets sail from Maltaと報道したからだ。

  A peine élu, Sarkozy part en «retraite»
 Libération  8 mai 2007

  ここまで読んでくれた人たちはきっと驚かれただろう。フランスではこのカップルの話題はタブーだった。それでもやはりファーストレディがいないというのは不自然。しかも法的には妻がいるのに姿がないのはたいていのことは許されるフランスでも異常な事態だ。そんな状況での大統領就任だったのである。いくらセシリア夫人がずぶとい神経を持っていても、ファーストレディとして5年間の任期を終えることができるだろうか。前途多難・・・ ふたりのスナップ写真はこちらで。

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コメント

三紗さん、すっかり遅くなってしまいましたが、久しぶりのコメントありがとうございました!

フランスはどちらの候補に決まっても、大きな改革が待っていたでしょうから、これから先が楽しみですね。サルコジ氏がこれまでの政策を一転して、内柔外剛で国内の安定を図ってくれるよう望みたいところです。
まぁ、しばらくは反対派の抵抗が続くのは目に見えていますが....

私も日曜から3日連載でサルコジ評論を載せていたので、TBを送らせていただきます。
今日の写真のお花がいかにもパリで、うっとりです。 ではまた!

投稿: ysbee | 2007.05.10 11:00

ysbeeさん。こんにちは。

サルコジ氏が超高級ヨットに乗ってバカンスを過ごしたことを強烈に抗議している人たちがいます。私はサルコジ氏に肩入れするつもりはありませんが、パパラッチが必死で追いかけていますから何をしても話題になってしまいます。

投票で選ばれた大統領なのですから応援してあげないと、フランスの評価が下がるだけだと思います。数千人規模の解雇が相次いでいますから、改革が遅れると傷口が広がりすぎてしまう危険性があります。

>TBを送らせていただきます。
きていないようです。コメント同様、海外からはだめなのかしら?

投稿: 市絛 三紗 | 2007.05.10 19:38

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