蒼い聖母ご出現の地 Pontmainポンマン その7

知らせを聞いたl’abbé Guérinゲラン神父が納屋の前までやってきた時だった。突然、子供たちが口ぐちに「何かが起きている」と声をはりあげた。そして徐々に話しはじめた。女性の身体から50センチくらい離れたところにやはり蒼い色の楕円形の縁取りがあらわれたのだった。その内側に4本のロウソク(2本は肩の高さ、もう2本は膝の高さ)、そして女性の左胸の上に小さな赤い十字架が見えた。
ポンマンには以前から小さな教会があった。そこはフランス革命後荒れ果てて屋根さえもなかった。ゲラン神父は35年前から一生懸命教会を修復してきた。マリア像を置いてミサを行うときは4本のロウソクをともした。そして10年ほど前にはマリア像のある壁の内部を青く塗り、星を描いていのだ。
子供たちの語るその女性の様子は、村の教会と似ているようだった。ただ神父もふくめ大人には何も見えない。いらだちから子供たちに向って皮肉を口にするものもいた。Jean Guidecoq ジャンは「どうして俺には見えないんだろう。眼鏡か絹のハンカチがあったらなあ」とぼやいた。これらは天文学研究の象徴だった。絹のハンカチは、日蝕観察に用いられていたからだ。
「それならあるわ」とヴィクトワールは家からスカーフを取ってきてジャンに手渡した。しかしスカーフごしに眺めてみても空には星だけ。人々は彼のことを笑ったり、ひやかしたりした。ウジェーヌは急に「寂しそうなご様子」と言った。女性の表情がくもったのは、ざわめきのせいではないかと思われたからだ。
「おだまりなさい。子供たちにしか見えないのは彼らが我々よりもよりふさわしいのです」とl’abbé Guérinゲラン神父の声が響く。シスターMarie-Edouard マリー・エドワールは「神父様。マリア様にお声をかけてください」とうながした。「私にはお姿が見えないのに、どうお話すればいいのか・・・」。「それなら子供たちが話しかければよいのでは」。神父はこの提案をしりぞけると「祈りましょう」と皆をうながした。
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