Faïence de Quimper カンペール焼きの魅力
日々の生活に欠かせない陶器。ブルターニュでは子供が生まれた時に、その子供の名前を入れてボールを焼いてもらいます。見本はこちらから。それを毎日大切に使い、その子供が大人になったら、今度は自分の子供たちにボールを贈ります。そうやって家族の分だけボールが増えてゆくのです。このように大切に受け継がれてきたのが、ブルターニュの西部Quimper カンペールに伝わるカンペール焼きなのです。
その歴史を紐解けば、1690年にさかのぼらなくてはなりません。プロヴァンスの陶工Jean-Baptiste Bousquet ジャン・バティスト・ブスケが工房を開いたのがはじまりです。いくつもあった工房は切磋琢磨して技術を磨いてきたのですが、工場で大量生産した商品が店頭に並ぶようになると次第に数が減りました。そして40年前にHB アッシュベー社とHenriot アンリオ社が合併してHB-Henriot アッシュベーアンリオ社となりました。
カンペール焼きはまず粘土を練って形をつくり1040℃で9時間素焼きします。そして釉をかけてから絵付けになります。100人以上いる職人たちが手作業で絵付けをしているのです。手の器用な人でも簡単な模様を描くことができるようになるまでには約2年もかかるそうです。複雑な模様になると7年くらいは修行が必要だとか。ですからすべての商品の裏側には絵付けをした職人のサインが書き込まれています。これをもう一度窯にいれ、940℃で7時間焼きます。このように手間をかけ作られていますから同じものはありません。
見学ツアーもあり、説明を聞きながら陶器が完成する過程を垣間見ることができます。毎日使う食器から、アクセサリー、そして地元の民族衣装を身につけた右のような作品もあります。
*HB-Henriot
Magasin d'usine de Quimper
Place Bérardier - Locmaria - 29000 QUIMPER
Tél. 02.98.52.22.52
Ouverture : 9h30 - 18h30 toute l'année
9h30 - 19h00 juin - septembre
Ouvert le 14 juillet et 15 août
見学ツアーの詳細
*キャンペール焼きを日本で手に取ってみてください。
Faïence de Quimper 東京と横浜に店舗があります。
カンペール陶器のすべて―伝統と幻想のブルターニュ
NHK テレビでフランス語 Faïenceries de Quimper 300年以上続く伝統、カンペール焼でも紹介されました。
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コメント
素敵ですね、カンペール陶器。
無性にフランスが懐かしくなりました。
我が家では今、昨年植えたミモザが満開です。枝ぶりはまだまだですが、こんもりした花は愛らしく、冬の終わりの色味の少ない庭を明るく飾ってくれています。三紗さんのブルターニュ幻想館のタイトルを見てふと、思いました。
投稿: のり | 2008.03.14 02:04
のりさん。こんにちは。
HP、素敵になりましたね。私も新しいHPのロゴをデザイナーにお願いしてあるのですが、忙しいようでまだおあずけ。ちょっと足踏み状態です。
うちの近所でも2か所、ミモザが咲いています。黄色やオレンジは春の色ですね。うちの庭では水仙やクローバー(に似た葉のある花。よくわからない)が咲いています。ムスカリも地中からでてきましたよ。春ですね。
投稿: 市絛 三紗 | 2008.03.14 10:58