野生にもどったライオン、クリスチャン
ある日のこと、ロンドンのハロッズ百貨店で、ライオンの赤ちゃんが売られていたとしたら、あなたならどうしますか?
これは38年前に本当にあった話です。アンティークショップを営むジョンとアンソニーが小さな檻の中にいたこのライオンの赤ちゃんを購入。Christian クリスチャンと名づけ、愛情をこめて育てました。「自由に走らせてやりたい」という願いを教会に相談すると、庭を使用することを許してもらえました。
でも一緒に暮らしたのはわずか18か月。クリスチャンの将来を考えると、大自然の中で暮らすことがいいに決まっています。ジョンとアンソニーはケニヤの自然保護区にクリスチャンを連れてゆきました。いざ離れてみると、やはり心配でたまりません。「もう野生に戻り群れのリーダーになっているから、会うのは危険だ」と言われてもどうしても一目だけでも元気な姿を見たいというのが親心です。
1年後、二人はケニヤに行って、何時間もクリスチャンを探しました。そしてついにその姿を見つけることができました。クリスチャンはゆっくりと歩いてきます。突然クリスチャンが走り出します。さてそれからどうなったのでしょうか。それがこのビデオです。
毎日一緒に遊んで、川の字になって眠った二人のことをChristian クリスチャンはちゃんと覚えていました。堰をきった水のように愛がはじけます。その動作のひとつひとつに、いとおしさがこめられています。ここにはどんな言葉も必要ありません。クリスチャンは自分の奥さんにも二人を紹介してくれました。
画面にうつっている男性は野生のエルザを書いたジョイ・アダムソンのご主人ジョージ・アダムソンさん(1998年、密猟者に射殺され死亡)です。
Lion becomes internet sensation The Sunday Timesより。 The heart-tugging videoと紹介されています。心温まるビデオ。ハートをつかまれたようなというほうが似合っていますが。このビデオは10918768、1千万回以上見られています。もっと詳しいビデオもありました。
< 追 記 > 紹介していた英語のビデオ2本を日本語版にさしかえました。
ライオンのクリスチャン―都会育ちのライオンとアフリカで再会するまで
ジョンとアンソニーが書いたクリスチャンの本が日本語になりました。ジョンと子供たちは今でもアフリカの自然保護活動にたずさわっているそうです。
バーク,アンソニー
1946年シドニー生まれ。現在はオーストラリアでもトップクラスの美術キュレーターとして活躍。とくに、アボリジニ・アートとコロニアル・アートの専門家。シドニー在住。
レンダル,ジョン
移住六世代目のオーストラリア人。ジョージ・アダムソン野生保護基金と王立地質学協会にたずさわり、アフリカの自然保護活動とその広報活動でロンドンとシドニーを行き来する生活を送っている。三人の子供たちもまた、自然と野生動物の保護に情熱を注いでいる。
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コメント
はじめまして。クリスチャン検索で寄らせてもらいました。先日初めてテレビで見て・・・感動です。2人+1匹の映像がすべてを物語っていますよね。私も野鳥を保護したことがあり、自然に帰すときのほろ苦さは分かるような気がします。今もアフリカの大地で、クリスチャンの子供達が元気に走り回っていることを心から願いたい、そんな気持ちです。
フランスに住まわれてたんですね。うらやましい!私も訳あって今フランス語の勉強をしているところですが、独学ですのでいつモノになるか分かりません(苦笑)。こちらのフランス情報記事を拝見しましたが、内容が豊富ですごく参考になります。これからも勉強の合間に寄らせてもらいたいと思います。更新楽しみにしていますね。ではでは!
投稿: ジャック・ダニエル | 2010.01.27 14:07
こんにちは
久しぶりにクリスチャンの映像を見て、再会した時のしぐさにまたまた涙してしまいました。
ジョンはクリスチャンとの出会いから自然保護活動に人生を捧げることになりました。クリスチャンやその子孫を守るために。
投稿: 市絛 三紗 | 2010.01.28 14:12