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2008.08.20

勇者にのみふさわしい森林の王

Chenee

  ブルターニュ内陸部にチベット仏教の学校があることをダライ・ラマ ブルターニュ訪問で書いた。この上の写真は友人に連れられ、巨木を見に行ったときに木の周りでゆれていた旗だった。この写真の場所と学校は5キロくらいしか離れていなかったはずだ。そこまで行っていたのに、もっとつっこんで聞かなかったことがくやまれる。

  これはチベットで用いられる経文を印刷した魔除けと祈りの旗「ルンタ」(別名「タルチョー」)だ。ルンタは、主に青、白、赤、緑、黄の5色で、青が空、白が雲、赤が火、緑が水、黄色が土を象徴しているそうだ。くらしの中の信仰/ルンタ(ダライ・ラマ法王日本代表部事務所)参照。
Chenet

  木はle chêne ル シェン(カシ、カシワ、ナラなどのコナラ属)、英語ではOak オークだ。ブルターニュの古木で紹介した木がブルターニュで一番古いといわれている木だ。ヨーロッパでは「森林の王」と呼ばれる。落葉樹なのでナラと訳すべきだと生活の世界歴史〈6〉中世の森の中で (河出文庫)という本で読んで納得した。それまで読んだ本ではカシ、あるいはカシワと訳されていたからだ。

  le chêne はドルイドたちが崇めた儀式にはかかせない木。勇気、忍耐、信念の力を秘めている。ケルトの社会で軽蔑されたのは嘘と臆病だった。だからこそ正直で勇敢な者だけがle chêne に値するのである。アーサー王と円卓の騎士たちが囲んだ円卓のテーブルもle chêneでできていた。

  

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コメント

ダライ・ラマが訪問されたとは!
そしてフランス西部にチベットがあるとは全く知りませんでした。
以前、フランスで知り合った当時高校生の女の子が「チベットに興味あるんです」と真剣な表情で話してくれました。
一緒に衛星放送テレビでダライ・ラマを描いた「クンドン」の映画を見た思い出があります。
日本の禅にも興味あるという。
フランスでの禅のイメージがどうも違うのですが上手く説明できずもどかしい思いをしました。
有色人種を蔑視するようなフランス人にも多く出会いましたが、それでもアジアに、日本に興味を持ってもらえる人がいるのは嬉しかったですね。
このニュースを見て、沢山の人々がチベット状況を見守っているのだとあらためて思います。

投稿: Nolwenn | 2008.08.20 21:12

Nolwennさん。こんばんは。

「ルンタ」があったということはこの木を神木としてあがめているという意味に解釈しましたが、それでいいのでしょうか。

le chêne に値するかどうか、自分自身に常に問いかけたいですね。

投稿: 市絛 三紗 | 2008.08.20 21:48

以前コメントを頂いた小田中です。3週間の予定で先日からレンヌに滞在しています。ご存知かもしれませんが、いまChamps Libresで特別展「アーサー王」が開催されていることを知りました。
http://www.leschampslibres.fr/1209051005593/0/fiche___actualite/
ぼくは明日(24日)見にいく予定です。

投稿: 小田中直樹 | 2008.08.24 03:23

小田中さま

このあいだガレットのことを書いてから、レンヌのことを懐かしく思い出していました。旅の写真はまとまっているのですが、レンヌの写真はきままにとっているだけに、絶対撮っている写真が行方不明。これまでなら「じゃあ今から撮りにいこう」ですんでいたからです。

Le roi Arthur, une légende en devenirのことは開催されたときから知っていました。来年のはじめまでにブルターニュまで行けるかどうか・・・きっと分厚いパンフレットがでているのでしょうね。それだけでも欲しいです。

投稿: 市絛 三紗 | 2008.08.24 18:06

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