La légende du roi Arthur アーサー王伝説
現在レンヌで開催中のLe roi Arthur, une légende en devenir 「アーサー王伝説の変遷」という展示会。これはBnF(la Bibliothèque nationale de France)フランス国立図書館の協力で実現したもので、中世の装飾写本も多数展示されている。
協賛のBnFはLa légende du roi Arthurという特集HPを作成している。Gros plansを2度クリックするとintroductionの朗読がはじまる。美しいフランス語の響きを聴きながらアーサー王伝説のあらましをおさらいしよう。フランス語の聞き取り学習には最適だ。
ここでは自宅にいながらにして中世の装飾写本のページをめくったり、拡大表示することも可能。インクも盛り上がりやシミまではっきりと確認できる。中世フランス語が読みこなせたらどんなに楽しいことだろう。私は数か月前から、時間があればこのHPを眺めている。それでもまだまだ続きがある。それほど充実した内容だ。
私は残念ながらレンヌのLe roi Arthur, une légende en devenirの会場には行く機会がないのだが、このカタログを送っていただいたのでざっと目を通した。これまで見たことのない図版もあっておもしろい。だが、正直言うと展示会の構成にはがっかりした。なぜならあくまでも従来知られているアーサー王物語をなぞっているだけで、ブルターニュ各地に伝わるアーサー王ゆかりの場所については何もふれられてはいないからだ。
それならばわざわざレンヌでこのような展示会を開催する必要はない。なぜブルターニュ独自の言い伝えを無視したのだろう。あまりに荒唐無稽だからだろうか。しかし、そんなことを言い始めたら、アーサー王伝説そのものの魅力がうせてしまう。国際アーサー王学会では「アーサー王は99%存在しない」と言っているし、そもそも魔法使いや妖精がいなければ成り立たない話なのだから。実際に展示会場に足を運ばた方は、その感想をコメント欄にぜひ書き込んでほしい。
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コメント
こんにちは。
今夏ブルターニュを訪れた際、アーサー王伝説に興味を持っている息子の希望で、レンヌでの展示を観に行きました。
こちらのブログで紹介されているように、多数の装飾写本や絵画・彫刻など展示されていましたが、展示物の内容を理解するまでの語学力が私にはなく、この場で内容や感想について詳しく説明できないのが残念です。
ブロセリアンドの森は紹介されていましたが、ブルターニュ各地の伝説となると、それについてはなかったと思われます。
実際の戦いでついたであろう傷のある中世の甲やチェスの駒は興味深かったですね。息子は、時代によって描き方が変わっているアーサー王や魔術師メルランに興味惹かれたようです。
あとは、円卓の騎士についてのビデオ(おそらくアメリカ映画)がフランス語の字幕で上映されていたり、子供向けのガイドツアーなどもあって、たくさんの子供たちが説明を聞きながら展示を見て回っていました。
実質的でないコメントになってしまいましたね、すみません。
投稿: 母そらまめ | 2008.09.19 09:02
こんにちは
展示会情報、どうもありがとうございます。
ブロセリアンドにはランスロットが育ったという湖がありますから注目されるのは当たり前ですが、ブルターニュ各地にはアーサー王にちなむ土地がたくさんあります。
それほどアーサー王に親しみを感じているのですから「ブルターニュではこういう言い伝えがある」とまとめて紹介してほしかったです。
投稿: 市絛 三紗 | 2008.09.19 12:44