ノーベル文学賞受賞、ル・クレジオ氏のルーツはブルターニュ その3
ル・クレジオ氏は寡黙でジャーナリストなかせの作家だという。そんな彼が喧噪からのがれてほっとできる場所として選んだのは、ブルターニュだった。まだ彼が少年だった頃、家族で訪れたブルターニュ。空の色や流れる雲、そぞろ歩いた夜の浜辺は深く心に刻まれた。
そして歳月をへて帰ってきたのだ。15年ほど前からBaie de Douarnenez ドアルヌネ湾をのぞむ高台につつましい住まいを構え、波の音を聴きながら夏、そしてクリスマスを過ごすのだ。上の写真のような風景を眺めながら。そこではラジオも聞かないし、新聞さえもほとんど読まない。母親が暮らしていたからずっと繋がっていたニース。その母親が亡くなった今、もう戻る理由もなくなった。
どこからともなく聞こえてくるカモメの鳴き声や教会の鐘の音。大地にしっかりと根をおろしたヒースの花々。そんなブルターニュの情景をル・クレジオ氏と共有しているのだと思うとうれしくなる。世界の海を渡るブルトン人の船に乗ったつもりで小説もじっくり読んでみようと思う。
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<参考情報>
日本語で読むル・クレジオさんの本
PORTRAIT Jean-Marie Gustave Le Clézio
Le Clézio : J'appartiens à cette nation
Le Clézio.Des tropiques à la Bretagne
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