東大落城を見ながら考えたこと
日テレ 日本史サスペンス劇場特別企画「東大落城」を途中から見た。反戦デモと医学部のインターン制度に端を発した大学側と学生との対立。安田講堂の占拠は長引き東大生以外の過激派により大学が破壊されてゆく。そしてついに機動隊が東大構内に突入。バリケードの向こう側から石や火炎瓶を投げる学生たちに機動隊は放水や催涙弾で応戦。36時間後東大全共闘、全員逮捕で日本史に残る「東大の一番長い日」は終わった。
日本では久しくこういった場面に遭遇することはないだろうが、フランスではゴミ箱や車の放火は珍しくない。番組が進行するにつれてテレビ画面は催涙弾で真っ白になる。その喉を押し上げてくるような喉の痛みや重苦しい圧迫感が蘇る。何しろ数年前、自分が催涙弾のまっただ中にずっといたのだから。
レンヌではアパートのドアを開けると上のような有様だった。数ヶ月間、道路は機動隊の車(下の写真の青い車両)で埋め尽くされ、商店のショーウインドーはボロボロに破壊された。街中に焼け焦げた臭いが充満、催涙弾の煙がたなびき、ガラスが飛び散り、叫び声がこだまするそんな暮らしを余儀なくされた。
東大の攻防はわずか36時間。2006年のフランス・レンヌでは毎日誰かが逮捕され(画面右隅)商店も襲撃をおそれて昼間からシャッターをおろす。そんな日常生活だった。今から考えるとまるで夢の中の出来事だったように思えるが、それが私の体験したフランスの現実だ。
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