時間は流れる
この建物は私がいたころは何年も閉まったままだった。その前はたぶん家具屋だったはずだ。この建物の向かいにあるコインランドリーによく通っていたので木の板で囲われた殺風景な建物はよく眺めていた。なぜなら建物の上部にモザイクがあったからだ。でもこんな黄緑色の壁ではなかったと思うのだが・・・
その右隣にあるのはコピー店。ここにもよく行ったものだ。さらに数十メートル行くと映画館がある。通いなれたまるで自分の庭みたいな通りなのだが、今年の春にはこうやって新しい店ができていて、時間が流れたことを実感する。数分歩くと中央郵便局のあるPlace de la République レピュブリック広場にでる。公園のようになっている中に仮設のような店舗があった。可愛い雑貨屋さんだ。
そこで絵葉書を買いながら少し話をした。「2007年の秋に火事で店が焼けてしまったのでここを借りたんだ」とご主人が言う。その言葉にハッとした。なぜならその日、たまたま火事の現場にいたからだ。その時の状況はRennes レンヌ中心部での放火事故に書いたが、放火犯は3人は19~21歳だった。焼けた建物の一階が店舗で何度もテナントは入れ替わった。覚えているのは眼鏡屋でそのあと雑貨屋になった。何も購入したことはなかったのだが、ショーウインドーはよく見ていた。
あの事故で人生がくるってしまった人を目の前にしてどんな言葉もでてこない。「あの日、この広場を通ったので事情は知っています」と答えるのが精いっぱいで「レンヌに戻ったらまた寄ります」と挨拶して店を出た。
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