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2011年8月の記事

2011.08.21

第50回日本SF大会 静岡県で開催

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  今年第50回を迎える日本SF大会「ドンブラコンL」 が9月3日(土)、4日(日)に静岡県で開催されます。大会中にはSFファンが選ぶ前年度に発表された最高のSF作品を表彰する「星雲賞」の授賞式も行われます。この大会2日目に「フランスに語り継がれるアーサー王伝説」というパネルディスカッションを行うことになりました。時間は90分です。パンフレットの紹介文は以下のようになります。

「フランスに語り継がれるアーサー王伝説」  -ブルターニュ妖精たちの森-

フランス・ブルターニュに住み、この地方の伝説・伝承について
研究をして来たケルト研究家の市絛三紗と、現地調査に出かけた
日本SF作家クラブの浅尾典彦が、写真・資料などを使いながら
フランスでの「アーサー王伝説」他について語ります。

  Livrea
  このところ準備でアーサー王ざんまいの日々。パワーポイントを使ってコツコツ資料をつくっています。今使っているおもな書籍を階段に並べて写真を撮ってみました。話したい内容があまりに膨大で、選択するのが大変です。アーサー王伝説の舞台は英国だと思われていますが、ブルターニュには湖の騎士・ランスロがいます!またアーサー王(フランスではアルチュール)の住んでいた城や、お墓もあります。メルラン(マーリン)とヴィヴィアンヌ、トリスタンとイズーの物語もはずせません。

  ブルターニュ各地にちらばっているアーサー王伝説ゆかりの場所を実際にたずね、撮りためてきたマニアックな写真も今回初公開します。たまたま別の目的で立ち寄り、こんなところにもあったのかと驚いたことも一度や二度ではありませんでした。あと2週間ですが、その感動をうまくお伝えできるようさらに工夫したいと思います。


  日本SF大会「ドンブラコンL」 公式ホームページ

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2011.08.20

本の国の王になった男

  パソコンのキーをたたけば、世界中の本のページをめくることが出来るような時代になった。それでも実際に手に取ったときの重みは格別だ。それぞれの本にははてしない宇宙がつまっていて、活字やイラストは未知の世界にいざなってくれるかけがえのない道案内となる。

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  私は子供のころ、大人になったらファンタジー作家か古本屋のオーナーになりたいと思っていた。その夢はまだ実現してはいないのだが、幸いにも好きな本に囲まれてはいる。我が家に泊まったブルターニュのジャーナリスト仲間は「こんな本見たことがない」とブルターニュ関連の本を何冊も引っ張り出して読みふけっていた。

  本の国の王様はイングランドとウェールズの境にあるHay-on-Wye ヘイ・オン・ワイに実在するリチャード・ブース王のこと。1977年に独立とEEC脱退を宣言した。この時「リチャード書籍王」が誕生したわけだ。そして取材に訪れたジャーナリスト兼高かおるさんが公爵に任命されたのがテレビ放送されてから、爵位を求めて日本人観光客が激増。公爵や子爵になった人もいるらしい。すっかり有名になったヘイ・オン・ワイは大資本がスポンサーに就きフェスティバルを開催しており、書籍愛好家がこぞって訪れるそうだ。

  この本の中にブルターニュの本の町、Bécherel ベシュレルの記述がある。ヘイ・オン・ワイが独立したのを記念してベシュレルに英国専門の「国王陛下の書店」をつくったがイギリス領事館からクレームがついたというものだ。

  1962年に古本屋を開店し、世界初の古書の町をつくりあげたリチャード・ブース王。1998年には住民たちの推挙で「世界中の古書の町の皇帝」にも選ばれた。その後リチャード皇帝は行政との対立などで2005年に本屋を売却しドイツに移住したそうだ。それを知ってしまうと少々寂しい。これで締めくくろうとしたのだがさらに検索してみると、2009年にヘイ・オン・ワイに本屋を再開したようでカフェも併設されている。やはり戻ってきたのだ!王様ではなくなったとしても本があればきっとそれが幸せなのだろう。

  
  Richard Booth's Bookshop
  44 Lion Street,
  Hay-on-Wye, Hereford, HR3 5AA


  
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2011.08.11

アンリ・ルルーのラボ YouTubeで公開

  2007年に日本に出店し、すっかりおなじみとなったHENRI LE ROUX アンリ・ルルーの塩バターキャラメル。もう味わっていただけたでしょうか。世界でただひとりCaramélier キャラメリエ(キャラメル職人)と名乗ることを許されていることをこれまでにも紹介してきました。

  ブルターニュ特産 塩バターキャラメル Le Roux ルルー
  HENRI LE ROUX アンリ・ルルーの塩バターキャラメル
  HENRI LE ROUX アンリ・ルルー 11月新発売のタルト

  塩バターキャラメルC.B.S.(セー・ベー・エス Caramels au beurre salé キャラメル・ブール・サレの略)です。ブルターニュの特産、ミネラルをたっぷり含んだゲランドの塩と濃厚な牛乳から作られた塩バターは、ブルターニュの暮らしにかかせない味なのです。そのキャラメルをつくっているラボの様子がYouTubeで公開されました。繊細な手作業から生まれるショコラやキャラメル。見ているだけで手を伸ばしたくなるような映像です。

  ブルターニュでは今年Marque Bretagneという取り組みがはじまりました。ブルターニュ自体を商標として登録し国の内外でブルターニュの存在とその価値をアピールしてゆくのが目的です。詳しい内容はLa création d’une marque de territoire, "Bretagne" ブルターニュを商標化をご覧ください。

  HENRI LE ROUX アンリ・ルルーはこのMarque Bretagneのメンバーになりました。名実共にブルターニュを代表するブランドです。そんなキャラメルが日本で購入できるのですからうれしいです。これまでは東京にしか直営店がなかったのですがJR大阪三越伊勢丹に関西待望のお店がオープンしていますので是非足をはこんでくださいね。


  
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2011.08.07

自家製小麦でパンを焼こう その1 種をまく

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  昨年11月、ナチュラルハーモニーの河名秀朗さんとお会いした。河名さんの著書は「自然の野菜は腐らない 」「ほんとの野菜は緑が薄い」 「野菜の裏側 ―本当に安全でおいしい野菜の選び方」などを読んでいたし、テレビ東京の「ソロモン流」を見ていたので「築地御厨」の内田悟さんが野菜のことを学ぶため河名さんのところに足しげく通ったことも知っていた。

  その出会いがきっかけとなって、小麦を植えた。長年にわたって家族が化学肥料や有機肥料などをたっぷり与えている畑の余剰な肥料分を小麦が掃除してくれると聞いたからだ。もう種まきの時期は過ぎていたので大慌てで種を手に入れ11月9日から数日間小麦を蒔いた。0519いっさい肥料もやらず、草抜きも消毒もしないのにすくすくと育った。右の写真は4月15日。このころは青葉が美しいが5月19日になると麦の穂は黄金色に色づいてきた。

  ところが今年は梅雨入りが早かった。刈り入れを目前にして5月26日から梅雨入り。おまけに台風が近づいていて小麦も毎日雨に打たれる有様だった。そのままずっと雨が続くと、せっかくの実りが台無しになってしまうのでうらめしく空を見上げるばかりだった。


  その1から読む    その2にすすむ


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2011.08.03

ブルターニュの海岸でイノシシ大量死

  7月はじめからこれまでにsangliers morts イノシシの死骸が36頭もブルターニュの海岸で見つかっている。7月26日には数カ所で計18頭のイノシシが死んでいた。イノシシはCôtes-d'Armor コートダルモール県、baie de Saint-Brieuc サン・ブリユー湾の浜辺に打ち上げられたり海に浮いたりしていたのだ。

  森が多いフランスではイノシシは狩りの対象にもなっていて、友人が自分で撃ったイノシシのステーキを食べさせてくれた。ロワール川のほとりに住む別の友人宅におじゃましているときに「トウモロコシ畑をイノシシがあらして困っている」と電話がかかってきたこともあった。

  このように身近な存在ではあっても海岸でのmystérieuse hécatombe 不可思議な大量死はこれまで例がない。エコロジストたちはただちに「大量発生した藻類が腐敗し有害ガスが発生したのだ」と発言した。2年前に腐敗した大量の藻と集約農業に書いたようにブルターニュでは、1970年代から藻類がしばしば大量発生して問題になっていた。藻の除去は定期的に行われていて、今年は昨年並みだった。

  藻類が腐敗するとsulfure d'hydrogène (H2S) 硫化水素が発生する。この濃度が高くなると吸い込んだとたんに意識を失い呼吸困難になり、もし助かっても脳に重い後遺症を負うことになる。イノシシの死骸6頭を検査したところ5頭から硫化水素が見つかり、そのうち2頭の値が高かった。しかし1頭からは硫化水素は発見されていないので死亡原因であるとはっきり断定はできない。

  7月上旬に現地を訪れたサルコジ大統領は「農家に罪を着せるのはばかげている」と述べたが、一帯の海岸は立ち入り禁止措置がとられており、このような状況がいつまで続くかわからないので住民の間には不安が広がっている。

  イノシシ大量死、原因は藻類?=腐敗し有害物質放出か-仏 asashi.com
 

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