Anatole Le Braz アナトール・ル=ブラーズ
ブレストでFañch Broudic ファンシュ・ブロディックさんと再会した。ブレイス語番組のメインキャスターとして長年活躍していた人だ。一緒にUniversité de Bretagne occidentaleのキャンパス内にある図書館、Bibliothèque du Centre de Recherche Bretonne et Celtiqueをたずねた。ここにはブルターニュの歴史や文学、言語などに関する膨大な資料が集められている。この日はFrance3のテレビクルーや新聞社Ouest Franceの記者も同行していた。
図書館には本や雑誌はもちろんのこと、古いポスターや地図なども保管されている。さらに映像や音声テープなど、ブレイス語研究者にとっては貴重な資料も特別室におさめられているという。この日は普段は目にすることのできない、手書きの手帳を見せてもらった。それはAnatole Le Braz アナトール・ル=ブラーズのものだった。手帳はフランス語で書かれており、たくさんのイラストもそえられていた。
彼の代表作のひとつ、ブルターニュに伝わる民間伝承を丹念に集めた"La Légende de la mort"「死の伝承」は現在でも非常に人気が高い。手帳は「死の伝承」の出版以前のものと、第一次世界大戦中の戦争について書かれたものがあった。私は文庫本を10年ほど前に買って繰り返し読んでいたのでこのサプライズにいたく感激した。
なお"La Légende de la mort"は数年前に日本語版が2冊相次いで刊行された。それまでにも民話集は発売されたことがあったが、ブルターニュをより深く理解したいなら必ず目をとおしてほしい作品だ。もちろん2冊ともうちの本棚に並んでいる。
ブルターニュ幻想民話集
ブルターニュ 死の伝承
午後にはブロディックさんとブレイス語の雑誌や書籍を刊行しているEmgleo Breizへ出向いた。写真はブロディックさんとテレビ局France3のキャスターだ。ちょうどBrud Nevezという雑誌は300号が発売されたところだった。「今日、日本からブレイス語の教科書の注文書が届いたの。これから手続きをするけれど、うれしいわ」とスタッフの女性が話してくれた。なおホームページ上では実際にブレイス語の音声も聞くことが出来るので、興味のある方はどうぞ。
ブルターニュで綿々と受け継がれてきた伝統や文化を守り続ける人たちの熱い想い。それを多数に伝えるには新聞・雑誌・ラジオ・テレビといったマスメディアの協力がかかせないとあらためて考えた。
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