シャルリ・エブド事件を考える: ふらんす特別編集
今年1月7日午前11時半、パリ11区でCharlie Hebdo シャルリー・エブド社襲撃事件はおきた。12人が亡くなったRue Nicolas-Appert ニコラ・アペル通りとはどのような場所なのかだろうか。Charlie Hebdo シャルリー・エブド社から約400メートルセーヌ川に向かって南に下がるとPlace de la Bastille バスチーユ広場がある。かつてここには要塞がありフランス革命当時は牢獄になっていた。民衆の暴動により襲撃されたいわくの場所だ。今ではガラス張りのオペラ座が建っている。そしてあたりにはカフェをはじめ深夜まで営業しているバーやクラブも多く若者でにぎわっている。
また11区のすぐ西側は4区で日本人もよく観光に訪れるマレ地区がある。17世紀のPlace des Vosges ヴォージュ広場、Musée Picasso ピカソ美術館、パリの歴史にまつわる資料が網羅されたMusée Carnavalet カルナヴァレ博物館も近い。Hôtel de Ville パリ市庁舎から事件現場までわずか1200メートルしか離れていないのだ。これはこちらのParis pratique par arrondissementという地図を見ながら書いた。
それからわずか1ヶ月の間に、フランス各地で発砲事件が数十件起きている。そしてデンマークの首都コペンハーゲンでは、ムハンマドの風刺画を描いた画家が参加していた集会やユダヤ教の礼拝所が銃撃され死傷者もでた。毎日のように報道されたので事件の概要はご存知だろうが、フランスで出版されたムハンマドの風刺画については本国でも賛否が分かれている。
ここで東洋経済の記事を紹介したい。フランス社会党のHélène Conway-Mouret エレーヌ・コンウェイ=ムレ上院議員とフランス文学者の鹿島茂さんへのインタビューだ。
フランスでも、「行き過ぎた風刺」は論点に 表現の自由は、無制限の自由ではない
仏紙襲撃事件は、強烈な普遍主義同士の衝突 鹿島茂氏が読み解く仏紙襲撃事件(前編)
「反イスラム」が高まれば法規制の議論も 鹿島茂氏が読み解く仏紙襲撃事件(後編)
3月7日に発売されるシャルリ・エブド事件を考える: ふらんす特別編集はこの事件の特集を組んでおり鹿島茂さんも編者になっている。フランスについての理解を深めるためにもぜひ読んでほしい。詳しい内容はつづきからどうぞ。