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2015.02.26

シャルリ・エブド事件を考える: ふらんす特別編集

  今年1月7日午前11時半、パリ11区でCharlie Hebdo シャルリー・エブド社襲撃事件はおきた。12人が亡くなったRue Nicolas-Appert ニコラ・アペル通りとはどのような場所なのかだろうか。Charlie Hebdo シャルリー・エブド社から約400メートルセーヌ川に向かって南に下がるとPlace de la Bastille バスチーユ広場がある。かつてここには要塞がありフランス革命当時は牢獄になっていた。民衆の暴動により襲撃されたいわくの場所だ。今ではガラス張りのオペラ座が建っている。そしてあたりにはカフェをはじめ深夜まで営業しているバーやクラブも多く若者でにぎわっている。

  また11区のすぐ西側は4区で日本人もよく観光に訪れるマレ地区がある。17世紀のPlace des Vosges ヴォージュ広場、Musée Picasso ピカソ美術館、パリの歴史にまつわる資料が網羅されたMusée Carnavalet カルナヴァレ博物館も近い。Hôtel de Ville パリ市庁舎から事件現場までわずか1200メートルしか離れていないのだ。これはこちらのParis pratique par arrondissementという地図を見ながら書いた。

  それからわずか1ヶ月の間に、フランス各地で発砲事件が数十件起きている。そしてデンマークの首都コペンハーゲンでは、ムハンマドの風刺画を描いた画家が参加していた集会やユダヤ教の礼拝所が銃撃され死傷者もでた。毎日のように報道されたので事件の概要はご存知だろうが、フランスで出版されたムハンマドの風刺画については本国でも賛否が分かれている。

  ここで東洋経済の記事を紹介したい。フランス社会党のHélène Conway-Mouret エレーヌ・コンウェイ=ムレ上院議員とフランス文学者の鹿島茂さんへのインタビューだ。
 
  フランスでも、「行き過ぎた風刺」は論点に 表現の自由は、無制限の自由ではない
  仏紙襲撃事件は、強烈な普遍主義同士の衝突 鹿島茂氏が読み解く仏紙襲撃事件(前編)
  「反イスラム」が高まれば法規制の議論も 鹿島茂氏が読み解く仏紙襲撃事件(後編)

  3月7日に発売されるシャルリ・エブド事件を考える: ふらんす特別編集はこの事件の特集を組んでおり鹿島茂さんも編者になっている。フランスについての理解を深めるためにもぜひ読んでほしい。詳しい内容はつづきからどうぞ。

イスラーム、国家、ライシテ、LGBT……表現の自由にとどまらぬ争点を浮上させた、パリの風刺週刊紙襲撃テロ! フランス版の911ともいわれる事件を、30名におよぶ識者が緊急レポート。

 [鼎談]鹿島茂+伊達聖伸+堀茂樹
シャルリ・エブド事件は「フランスの9・11」か?
L’affaire Charlie Hebdo est-elle le 11 septembre français ?
(構成:尾原宏之)

 1 わたしはシャルリ、なのか? Est-ce que je suis Charlie ?
関口涼子   表現は誰のものか
野崎歓    ウエルベックの涙
陣野俊史   たった3秒のラップ——ル・クレジオの言葉とともに考える
清岡智比古  どこにでもいる人——「パリ移民映画」にみる階層
飛幡祐規   病めるフランス共和国——なぜ彼らはジハーディストになるのか
山下泰幸   一人の日本人ムスリムにとってのシャルリ襲撃
にむらじゅんこ シャルリとは誰か──アンチ・レイシスト? ウルトラ・ライシスト?
エチエンヌ・バラール シャルリなのはシャルリだけ(翻訳:新島進)
師岡カリーマ・エルサムニー 私もシャルリじゃなきゃダメかしら

 2 なぜ、すべてはゆるされるのか? Pourquoi « tout est pardonné » ?
伊達聖伸   ライシテの再強化が道を踏み外さないように
小倉孝誠   政治的装置としての風刺画
野村正人   諷刺画と自由の歴史
宮下志朗   三つの指輪——寓話としての宗教的寛容
宮代康丈   寛容と共和国——社会統合はどうあるべきか
三浦信孝   フランスの1・11は9・11後を反復しない
澤田直    共和国の踏み絵——短絡の連鎖を断ち切るために
川出良枝   自由社会にとっての試金石
私市正年   「アラブの春」からシャルリ・エブド事件に至る道
酒井啓子   憧れるフランス、憎むフランス

 3 どのように、テロとたたかうのか? Comment lutter contre le terrorisme ?
堀茂樹    自由な共生のための自由のリミット
藤本一勇   すべてを言う権利——デリダならどう言ったか
港千尋    実名を隠しながらも、あきらめない。
カリン・西村=プペ マンガの国がプロテストするとき(翻訳:笠間直穂子)
山口昌子   テロ事件で浮かびあがったフランスの国のかたち
四方田犬彦  誰がテロリストと呼ばれるのか
髙山裕二   問題は宗教か?——私化する時代の社会統合
矢田部厚彦  自由主義社会と異文化とユマニスム
池内恵    自由をめぐる二つの公準

[巻頭言]鹿島茂
[付録]事件3日間のドキュメント(地図と年表)
    シャルリ・エブドと5人の風刺画家(作成:鵜野孝紀)
[エッセイ]マリー・ダリュセック「シャルリ・エブド追悼」(翻訳:高頭麻子)


  < 関連エントリー >

  Attentat de Charlie Hebdo シャルリー・エブド社襲撃事件
  Marche républicaine フランス共和国の行進
  Charlie Hebdo en rupture de stock シャルリー・エブドは在庫ぎれ
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